出版社内容情報
アジア最強の中国人民解放軍は対外侵略のための軍隊なのか? それとも国内治安部隊なのか? 日中戦争、国共内戦、朝鮮戦争、文化大革命、中越紛争、尖閣諸島・南沙諸島の国境問題、そして米中軍事対立……。軍事と紛争の側面から、〈中国〉という国の本質を読み解く。
目次
第1章 中国人民解放軍の誕生―群雄割拠時代に逆戻りした中国
第2章 国民党対共産党(国共内戦)―広大な中国本土の支配権をめぐる内戦
第3章 中国と台湾の争い―中国人同士の政争に巻き込まれた台湾
第4章 朝鮮戦争と「抗美援朝義勇軍」―朝鮮半島に燃え上がった戦乱と中国の軍事介入
第5章 中印・中ソ紛争とチベット・新疆ウイグル問題―巨大国家・中国の国境紛争と辺境部の支配
第6章 文化大革命と中国人民解放軍―紅い国を揺るがした「仁義なき戦い」
第7章 中越(中国=ベトナム)戦争―南シナ海で再燃した「第二次中越戦争」の危機
第8章 習近平時代の中国人民解放軍―現在の中国人民解放軍の「等身大の姿」とは
巻末付録 中国共産党と人民解放軍の主要リーダーの横顔
著者等紹介
山崎雅弘[ヤマザキマサヒロ]
1967年大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。軍事面だけでなく、政治や民族、文化、宗教など、様々な角度から過去の戦争や紛争に光を当て、俯瞰的に分析・概説する記事を、1999年より雑誌「歴史群像」で連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もりやまたけよし
25
公開されている情報や研究結果からの概説で、通史としてはよくまとまっていて、現在の中国理解には良い本です。文化大革命の実態なんか知らなかったことがいっぱいです。2020/01/10
スプリント
10
熾烈な権力闘争の歴史がよくわかります。2020/01/30
無重力蜜柑
8
良著。単純な時系列ではなくテーマに分けて時代順で説明しているので非常に読みやすい。章立ては①工農紅軍黎明時代②国共内戦③台湾関係④朝鮮戦争⑤中印・中ソ紛争⑥文化大革命⑦中越戦争⑧現代の人民解放軍。特に⑤のチベット侵攻とそれに伴う中印国境紛争勃発の経緯や⑦の中越戦争があまり見たことのない話題で新鮮だった。軍事的な詳細と政治的な経緯、さらに人物エピソードがバランス良く盛り込まれている。党の軍隊である人民解放軍は国益より党益を優先し、国内外に統治のための武力行使を行う場合があるというのが面白い。2022/04/09
Fumitaka
4
まあ、山岳ゲリラから一大軍事力に成長していく様子は確かに面白いものがある。「防衛圏(影響圏)」と「領土」は必ずしも違うこと、あと「中国」に属した地域の「回収」はともかくとして、純粋に「外国領」の併合が目的の対外戦争はまだ必ずしも行われてはいない、というのはなかなか無視してはならない点だと思う。国際関係論の開祖モーゲンソーも言っている、「相手の国の見方や立場を知ろう」と。ハードパワーの行使は、冷静に注視せねばならない。それは立場を問わず合意できる点ではないだろうか。2020/03/04
つわぶき
4
中国共産党及び人民解放軍の黎明期から現代までの通史を概説的に記した本。特に改革開放期以前の歴史に関しての一般的によく知られていないような部分に紙面を割いていたので、人民解放軍の歴史的特質が分かり易く書かれていた印象を受けた。2020/02/19
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