出版社内容情報
司馬遼太郎は激動の昭和を代表する作家だろう。出征を経験、高度経済成長期に『竜馬がゆく』『燃えよ剣』『坂の上の雲』で人気作家となった。岡本太郎、三島由紀夫、田中角栄、横井庄一・小野田寛郎ら昭和の主役たちへの発言も収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤瀬こうたろー
22
書店で見つけて、パラパラとめくってみて、「街道をゆく」にも出てたけど、若き日の司馬先生が出征前に別れを告げる心境で訪れた竹内街道において、自転車ですれ違いざまに微笑みかけてくれた通称「葛城乙女」の話が出てて、それだけで即購入しました。当たり前だけど、司馬先生の軌跡にはそのまま昭和の最初から最後まですっぽり内包されてるんですよね。少年時代の話、出征の話はもちろん、三島由紀夫、田中角栄、横井さんと小野田さん・・等々、司馬先生の珠玉の話が詰まっています。 誇張抜き、司馬遼太郎ファン必読の書とも言っていいかも!?2020/08/30
yyrn
19
一緒に読んだ井上ひさしの本に、優れた作家の文章には読んでいて気持ちの良い韻があると書いてあり、池波正太郎や藤沢周平の文章が紹介されていたが、私には司馬遼太郎の文章がとても読みやすく歴史的出来事と共に、すんなりと頭に入ってくるのだった。たまに挿入される現代の視点からのコメントも違和感なく、逆に良いアクセントに思えた。そんな司馬遼太郎史観を確かめたくて読んだが、作品解説ではなくて、司馬遼太郎という作家の人生を、残した文章や言葉からたどる本だった。実体験した戦争に対する批判的な言葉が多く、少し重かった。 2020/04/10
ただの猫好き
1
昭和をテーマに司馬遼太郎その人の人生を振り返ったのち、三島由紀夫等の著名人との接点を切り口に人物像を浮かび上がらせようとした本作。巻末に近い部分にあった担当記者の苦悩が印象的でしたね。2020/08/13