出版社内容情報
「おまえはおれが守る……」囚われた織部深雪を救うべく、ルシフェル教団のアジトがある伊豆の森を訪れた大鳳吼と九十九三蔵。闇に光が差したかに思われたが……息をのむ格闘シーンや雪道のカーチェイスなど、渾身の伝奇大河シリーズ「キマイラ」待望の最新刊!
内容説明
ルシフェル教団が指定した人質の交換場所へ下見に訪れた真壁雲斎。その時、近くでごくわずかな気配が!!瞬間、みごとなまでに気配を絶った相手、それは宇名月典善であった。「一度だけ仕掛ける」―典善は“本気の遊び”に雲斎を誘う。一方、教団アジトから脱出を図る菊地良二の前に、フリードリッヒ・ボックが現われる。菊地の身体のなかで何かが激しく音をたてて回り始めた…。絢爛たる伝奇大河小説、『魔宮変』に突入!
著者等紹介
夢枕獏[ユメマクラバク]
1951年、神奈川県小田原市生まれ。東海大学卒業。77年『カエルの死』でデビュー後、シリーズ人気作品を発表し、今日に至る。89年『上弦の月を喰べる獅子』で、第10回日本SF大賞を、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。『大江戸釣客伝』で、2011年に第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、12年に第46回吉川英治文学賞を受賞。16年、絵本『ちいさなおおきなき』(山村浩二画)で第65回小学館児童出版文化賞受賞。17年、第65回菊池寛賞受賞。18年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiseiok
42
いやぁ…。遥か昔のソノラマ文庫時代から読んでいて、作者も自分もがっつり歳を取る。どんな結末になろうと見届けるつもりで読んでいたキマイラサーガ。漠さん自身が、枯れてゆくなら枯れてゆく自分をそのまま見せる…と率直に仰ってましたし、そこまで言ってくれるならこっちも最後まで付き合いまっせと。なのにサーガ終盤に入っての本作のこの熱量は何さ⁈全盛期を彷彿とさせるこれぞ伝奇アクションの神展開。90年有馬記念のオグリキャップの如し。もう菊池が最高!グリフィンの『ルシフェル・アクセス』しびれる!テンション爆上げで次巻待ち。2020/10/02
ぐうぐう
22
作者にとって究極のエンディングとはいかなるものなのか。それはずばり、終わらせないことだ。結末を書かないことこそ、最高のエンディングである。作家は常に、その誘惑と葛藤している。『キマイラ』が始まって38年にして、夢枕獏もその究極の誘惑に迷いつつあるようだ。数年前、『キマイラ』の結末にと長年用意していたアイデアが使えなくなったと告白していた夢枕獏だが、小説家としての自信のなさが「終わらせない」という選択へと傾けているわけではない。事実、この巻のあとがきでも、(つづく)2020/08/19
ガットウ
21
★★★★4.0点。バトルは更に上のステージへ、物語はマダマダ続く様です。あとがきにある様に夢枕獏さんが志中場で倒れるまで、ついていきたいと思います。2020/09/21
なつみかん
16
キマイラのインフレが始まった!?結末は近いのか!獏さんも40年書き続けてきたのなら、読むこちらもおんなじか。続巻を待つョ。(*^_^*)2020/10/02
とも
9
図書館本 キマイラ月間でした。もしかしたらとは思っていたけれど、続きを待つことに。 次は何を読もうかしらん2020/11/26
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