内容説明
“しめ切りぎわのペテン師”の異名をとる、SF作家の火浦―じゃなかった―壬生マコトは、堪忍袋の緒が切れた出版社からホテルにカンヅメにされてしまう。しかし、そこでも逃げだす算段ばかり考えていたマコトは、ひょんなことからホテル内で起きた殺人事件の容疑者にされてしまい…!?読者を呆然とさせた「雑誌版」と、それに加筆・修正した文庫版にさらに加筆・修正した「補完版」を収録した、一粒で二度おいしいマニアな一冊。
著者等紹介
火浦功[ヒウラコウ]
1956年11月14日、広島県三原市生まれ。1980年に『瘤辨慶二〇〇一』でデビュー。以来、その軽妙な筆致と予測不可能なストーリー展開で、一躍、人気作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hirune
27
これは…文字で書いたギャグ漫画?しかも雑誌掲載時に最終回までに話しを収集できずやりっぱなしの感じで終わったので、最後のオチをつけて改稿したものを後半にプラスしている。なんでほぼ同じものを二回読んでるの?と自問しつつ読みきりました^^;どこが違ってるかわからない、間違い探しの心持ちで。。凶眼のニワトリがやたらかっこいかった♡素敵なこだよ、長生きしてほしい☆そして後書きも本編に負けない与太話なのねー。2016/03/10
いちろく
25
紹介していただいた本。締め切りが守れずホテルにカンヅメにされたSF作家壬生マコトの部屋に、肩に鶏をのせた殺し屋っぽい人が乗り込んできた事から始まるコメディ系ミステリ。初出は1980年代の野生時代連載であり、本書は掲載版と文庫版の両方を収録した一冊。FC版ドラクエ2のシドーネタや、白土三平、時かけの原田知世、JAROのCM等、当時の世相ネタ満載なドタバタコメディ系の作品でもあった。時事ネタ満載のコメディ作品も昔からあったのだな、と。「ラゴンみたいだ」とヒロインを口説く元ネタはじめ、正直分からないネタも多数。2020/08/13
Sleipnirie
2
ホテルにカンヅメにされた小説家と見張る編集、上の階で殺しを完了したけど相棒のニワトリを置いてきた男、それを捜査する刑事、小説家の部屋にやってきたニワトリと探偵を自称する女子。 ニワトリが持ってた殺人現場のメッセージ、小説家が財宝の在処だと思って奔走する。基本的に何でもありなノリ。 87年の雑誌連載版と今回の加筆修正版の2つを収録してて、作者あとがきで違いを解説してある。 火浦功って実在しないという真実を暴露している。 雑誌連載版の(ある意味)すごいラストを読んだあと、当時の人たち、どう思ったのだろうか。 2016/04/08
安部農丸
1
…なんやこれ2014/09/25
Smith, Ordinary. Person.
1
始めから終わりまで一貫してC調な、おかしなおかしな冒険活劇。 前代未聞、空前絶後、掟破り、と三拍子揃ったとんでもねー結末で終わってしまった雑誌掲載版と、加筆訂正によりなんとかまともな終わり方をした文庫版の両方を掲載した、資源の無駄使いとしか言いようがない、なんともマニアックな一冊。 毎度馬鹿馬鹿しいお話ですので、そういうのが笑って流せる人にしかオススメできない作品です。
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