出版社内容情報
外来生物48種が、人間が日本に持ちこんだのに「わるもの」となった不満を、生物自身の「言い分」としてコミカルに、味わい深いイラストとともに語り、持ちこまれた理由とその後の経緯も解説する本。監修は上野動物園元園長の小宮輝之氏。池や堀の水を抜くかいぼりや、釣りや川遊びで外来生物を捕らえたとき、多くの場合、おとなも子どもも持つ感情は「よそものは排除すべき」という……ちょっと待って。それは正しい? 外来生物も、在来生物と同じ一つの命。外来生物は、日本に来たくて来たわけじゃない。ほとんどが、食用、観賞用、害獣退治など、人間の勝手な都合でつれてこられたもの。たしかに日本の自然と生物多様性をおびやかしているものが多いけれど、つれてきたのは人間。外来生物たちはこう言いたいにちがいない。「つれてこられただけなのに」と。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いぼいのしし
29
外来生物は悪者にされてるけれど、確かに「つれてこられただけなのに」だね。すべて安易で浅はかな人間のせい。 2022/01/22
shiho♪
23
タイトルが秀逸(そのまんま)ですね。まさに心の叫び…。 先日テレビでホンビノス貝の特集を見た。東京湾でよく取れる二枚貝。北アメリカ原産で貨物船のバラスト水に紛れて連れてこられた。安価で美味しいとのこと。私の住む地域には流通していないので、食べてみたいなぁと思ってた。本書にもホンビノス貝がムラサキイガイと共に紹介されていたが、他に紹介されている生物と比べて、在来生物を脅かさないとのことで、養殖されている。こういう外来生物もいるのだなぁと。生物によって冷遇されたり歓迎されたり、これもまた人間の勝手なのよね。2021/07/20
月渚
10
生きものたちの言い訳(ほぼ言い訳ではないが)確かにと共感しました。2020/09/14
ネジとサビ
10
子どもの学校で外来種は悪なので全てを取り除く…という教えプラス、総合の時間を使っての実践に納得が行かず、そうではない意見の本で、子ども自身にも読める本を探していました。これならば手に取ってもらえる。 「本書より抜粋」すべて駆除というのはあまりにも身勝手ではないのか。なによりいっぴき1頭がいのちだ。外来生物問題は、もっとふかく考えるべきだろう。 そのために、外来生物の言い分も聞いてみよう。 学校図書館はやはり公平な資料を用意して、児童に考えさせるものであって欲しい。 2020/09/14
ぴよ子
9
昔私も子供の時に「ソウシチョウ」を飼っていました。 とてもいい声で鳴く鳥でしたが、この鳥も連れてこられたんですね。 しかもウグイスの糞がニキビに聞くからという理由で!!!!びっくり。 ヌートリアも日本では見たことがないものの、ハクビシンは実家にもでます。 春の西洋タンポポも実は食用とか、アメリカザリガニに至っては食用で連れてこられたウシガエルの食用とか。 とても勉強になったし面白かったです。2020/05/27