朝日新書<br> 1968年

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朝日新書
1968年

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  • サイズ 新書判/ページ数 288p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022737861
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0236

出版社内容情報

50年前、1968年の日本は「昭和の青春」の真っただ中にいた。世界のそして日本の新世代が、旧世代に「異議申し立て」をして、そのエネルギーが噴出した年である。漫画、映画、音楽など、大衆が愛した「文化」にもエポックメーキングの事象が続出する。日本人の情念が作り変えられた「日本がいちばん熱い」1年だったのだ。 例えば、ごく一部を挙げるとーー。あしたのジョー、巨人の星、高倉健、石原裕次郎、黒部の太陽、帰ってきたヨッパライ、江夏豊。また、3億円事件という、いまだ謎に包まれた出来事もあった――。  1968年第1号(前年末発売)の「少年マガジン」で「あしたのジョー」の連載がスタート。矢吹ジョーが疾走し始める。テレビでは「巨人の星」のアニメ(当時はテレビマンがと称した)が開始、星飛雄馬の根性物語が熱視線を浴びる。東映では高倉健の任侠映画が人気のピークに達していた。石原裕次郎と三船敏郎が「五社協定」をぶち破り、大作「黒部の太陽」を完成させ公開にこぎつけた。 ザ・フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」は前年末にリリースされるや、またたくまにミリオンセラーに駆け上った。「巨人の星」の中で同時進行のかたちでも登場した阪神タイガースの江夏豊は、実際の対巨人戦で王選手から三振を奪い、劇的な記録を達成した。 以上の事例だけではない。大衆が愛してやまなかった「文化」を詳細に、濃密に描き切る。熱い1年からちょうど半世紀。私たちの「成熟」と「喪失」をも描き切っているのである。

内容説明

1968年、世界の若者が旧世代と闘った年。日本の若者も激しく動き、新たな潮流が生まれた。映画、漫画、音楽―。新旧衝突のエネルギーは何を創造し、そして大衆は何を愛したのか?混沌の深層を詳細、濃密に描きだす!

目次

前夜―一九六七年一二月三一日
第1話 ザ・タイガースと若者たちの闘争
第2話 「少年マガジン」と漫画雑誌攻防戦
第3話 若きエースたち―江夏豊と星飛雄馬
第4話 映画スターたちの独立戦争
いくつかの後日譚

著者等紹介

中川右介[ナカガワユウスケ]
1960年東京都生まれ、早稲田大学第二文学部卒業。2014年まで出版社アルファベータ代表取締役編集長として「クラシックジャーナル」や音楽家・文学者の評伝などを編集・発行。作家としてクラシック音楽、ポップス、歌舞伎等の評論・評伝に定評がある。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

86
音楽、映画、少年漫画、プロ野球などから見た1968年論。1968年といえば私は小学5年生。野球は巨人が圧倒的に強く「巨人の星」や「あしたのジョー」はリアルで読んでいたしグループサウンズの長髪を見た家族からあんな髪型は不良なのであんな風になるなと言われた。映画は学校の決していい環境ではなかった講堂で『黒部の太陽』を見た。しかしこの年を本当に謳歌していたのは私より一回り上の大人たちだったと思う。こんなに熱かった年はほかにないのかもしれない。まだいい未来が待ってることを信じていた時代。図書館にて2019/08/25

ぐうぐう

33
1968年に起こった出来事として、ザ・タイガース、少年マガジン、江夏豊と星飛雄馬、映画『黒部の太陽』という4本柱でエピソードが紹介されている。1968年という括りがあるだけで、この4つの出来事に共通性はさほど見受けられない。そういう意味では、散漫な印象をどうしても受けてしまう。同時に、4つのテーマを盛り込んだことで、やや消化不良も起こしている。特に『黒部の太陽』のエピソードは、五社協定が瓦解する視点から、一冊の本としてたっぷり読みたかった。(つづく)2019/01/16

おかむら

26
1968年の大衆文化にスポットを当てる。音楽界はザ・タイガースとフォーククルセダーズ。マンガ界は少年マガジンとあしたのジョー。野球界は江夏豊と星飛雄馬(!)。映画界は石原プロと三船プロの「黒部の太陽」。なんだかとてもマニアックな選択ですが、週刊少年漫画誌の勃興期のアレコレ、名だたる 漫画家さんの新人時代のエピソードとか、面白いっちゃー面白い。そして梶原一騎すごいわ。2018/10/26

hk

23
「激動の一年」。1年を振り返る際の常套句だ。どの年も激動と安寧が混然一体となっているのだが、メディアは激動の部分にスポットライトを当てたがる。さて本書ではほぼ無作為に1968年という一年を抽出。この年を「激動の一年」という色眼鏡で見た場合の、デフォルメされた1968年を紹介していく。…集英社が満を持して週刊ジャンプを創刊。三船敏郎と石原裕次郎が共演した「黒部の太陽」で大手映画五社協定に風穴。江夏豊の年間401奪三振という前人未踏の快挙。…なるほど…所得倍増計画成就の年の息吹が僅かだが確実に伝わってくる。2019/02/19

阿部義彦

23
ちくまから四方田犬彦さんが「1968年、三部作」を出しましたが、同工異曲の本です。1968年には人を惹きつける何かがあるようです。筑摩選書は主にアングラ文化、ガロやつげ義春、天井桟敷、などを取り上げましたが、こちらはモロメジャーというか大衆的な文化、少年ジャンプ、永井豪、タイガース、明日のジョー、巨人の星等などを取り上げています。映画では 「黒部の太陽」と五社協定についてかなり詳しく書かれています。少年マガジンの黄金時代に関しては、梶原一騎抜きには語れず詳しくストーリーまで追ってます。熱かった日々2018/09/27

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