朝日新書<br> 日本より幸せなアメリカの下流老人

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朝日新書
日本より幸せなアメリカの下流老人

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022736819
  • NDC分類 367.7
  • Cコード C0236

出版社内容情報

【社会科学/社会】低福祉、格差社会のアメリカだが、貧困老人に関しては年金や支援制度が手厚い。日本のように40年まじめに働いた人が年金で生活できないことはありえない。全米を徹底取材。なぜ、日本の老人は不幸なのか。取り入れるべき支援制度は。新しい問題提起が満載。

矢部武[ヤベタケシ]

内容説明

低福祉の格差大国アメリカよりなぜ日本の「下流老人」は悲惨なのか?アメリカの福祉は、こと貧困老人に関しては手厚い。十分な年金や生活扶助、住宅補助に支えられて彼らは前向きに人生を楽しんでいる。対して日本は…。全米の貧困老人やその支援体制を取材しながら、日本の社会保障や貧困対策の問題点を浮き彫りにする。高齢者が幸せに暮らすための新しい提案が満載!

目次

第1章 人生を謳歌する米国の下流老人(米国の高齢者は不安が少なく、幸福度が高い;「フードスタンプ」をもらい、ボートに住む ほか)
第2章 最後は国が助けてくれる安心感(中流から下流に転落する人たちの不安;米国の中流老人の年金は結構手厚い ほか)
第3章 日米社会「温かさ」の差(NPOが「福祉機能」の一端を担う;低所得者の生活と命を守るNPO ほか)
第4章 世界一孤独な日本の老人(下流老人は社会的に孤立しやすい;凄惨で痛ましい「孤立死の現場」 ほか)
第5章 老人の幸せを米国から学ぶ(米国の支援制度から日本が真似できること;日本の社会保障制度は効率的でない ほか)

著者等紹介

矢部武[ヤベタケシ]
1954年埼玉県生まれ。ジャーナリスト。1970年代半ばに渡米し、アームストロング大学で修士号を取得。帰国後、米紙『ロサンゼルス・タイムス』東京支局記者等を経てフリーに。現在は日米を行き来しながら、高齢化や社会問題などをテーマに取材・執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

16
アメリカは機会均等で自助自立の国であり、高齢者福祉もそのスタイルかと思っていたがそうではないようだ。老後についてはきちんと暮らせる制度が受けやすい形で用意されており、年金も手厚い。その分中流高齢者医療保険と介護保険が弱いが。日本との差は「税を納めていた者が困ったとき生活保障を受けるのは当然の権利」という意識と、NPOを始めとする援助団体の充実(ボランティアを含む)、そして近所づきあいや社会参加だ。日本の老人は孤立し、せっかくある生活保護も受給率が低い。老後を家庭に押しつける政策と権利意識の未発達が原因か。2017/03/28

Humbaba

8
例え何かの拍子に上手く行かなくなってしまったとしても、セーフティネットが存在する。その存在を確かなものとして信用しているからこそ、躊躇のない消費が出来るし挑戦することも出来る。制度を作るだけでなく、その制度を使いやすいものにすることこそがそのような社会を実現するために必要となる。2016/11/14

田中峰和

5
格差大国アメリカより不幸な日本の下流老人というのが本書のテーマ。日米の貧困率はEU先進国に比べかなり悪いが、老人の貧困率は米国の10%に比べ日本の18%は圧倒的に悪い。中流であれば公的年金も米国は、はるかに高額が支給される上、企業のペンション年金や確定拠出年金を含めると悠々自適の老後が楽しめる。低年金や無年金の米国下流老人の場合も、生活費や家賃補助、フードスタンプなど日本の低額の国民年金より恵まれている。国民皆保険がなくてもメディケアが全額扶助してくれる。高額医療費で下流に転落する中流が多いのも皮肉だ。2017/03/09

yyrn

4
ご近所付き合いから救済制度に至るまで日本は貧困高齢者に冷たい社会だと作者は言い、誰でも転落する恐れはあるのだから米国のように最低限のセーフティネットは充実させるべきだというが、年金もかけず、貯蓄もせず、ましてや税金を払っても来なかった人たちをどこまで救済すべきなのか?悲惨な困窮例をたくさん挙げているが、普通ならそうならないように誰だって手を打つし、途中で投げやりになって生きる意欲を失ったり、親族や友を頼ることを良しとせず、世間体を気にして生活保護も申請できないというのなら、それもまたその人の人生ではないか2017/02/20

TZK

0
図書館本。 流し読みに近い感じになってしまった。 いい本だと思うがどうしても「隣の芝生は青い」感が強い。 人との交流とNPOの皆さんへの積極的な関与がなんとなく老後には重要なのかなと思った。 2017/08/14

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