出版社内容情報
【社会科学/社会】反安保法制、反原発……。国会前のデモなどで、若者以上に目立っているのが60、70代のシニア世代だ。若い頃、世の中に反旗を翻したものの、その後は体制に順応したはずの彼らは、なぜ再び闘っているのか。同窓会? 再びの世直し? 新集団をめぐる「人間ドラマ」を追った。
内容説明
2015年、国会前の反安保法制集会。目立っていたのは実は60・70歳代のシニアたちだった。ほかの社会運動でもシニアは活躍している。なぜ参加し、どう活動しているのか―。若い頃、学生運動でゲバ棒を振った経験者がいれば、孫の将来を不安視し、初めて集会に参加した専業主婦もいる。高齢大国ニッポンに、新たな「老人パワー」が生まれつつあるのか。気鋭のジャーナリストが、彼らの「人間ドラマ」を追った。
目次
第1章 社会運動のニューウェーブ
第2章 なぜ「SEALDs」に熱くなるのか
第3章 怒る学者、作家たち
第4章 世代別シニア左翼の傾向
第5章 新左翼党派は、いま
第6章 シニア左翼はどこへ行くのか
著者等紹介
小林哲夫[コバヤシテツオ]
1960年、神奈川県生まれ。教育ジャーナリスト、フリー編集者。教育、社会問題を総合誌などに執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
28
傲岸と罵られても、不遜も承知。「時代の排泄物」が正直な感想。高度成長期という、他者の努力と、豊かさと安らぎの追求に邁進していた時代背景を前提に、現実と折り合わずに生きてこれた幸福者、または社会を担うことなくはぐれてきた卑怯者たち。著者の賛辞や修飾を外せばこんなもの。矛盾や不正義、理想にそぐわない悲劇や凶事が溢れるのが人の世界なら、その現実とどう擦り合わせていくのが年長者の若輩への示し。それを放棄したもの、担おうとする若き世代の邪魔をすることが、命として正常かを考える。甘えと幼稚をひきずったまま惚ける前に。2017/08/04
ネコ虎
13
吐き気を催す本で、読むに堪えなかった。単なるビラのたぐい。醜悪な元活動家の年寄りの愚痴話のような。ひどすぎるぜ。「シニア左翼とは何か」への私の答えは、フランスの小話と同様のものだ。「教会で神父が説教を始めようとして、壇上に立った。おもむろに聴衆に話しかけた。「神は…」と言いかけた時、壇の上に黒いものを見つけた。何だろうと思い触って臭いを嗅いだ。「うっ。神は…糞だ!」」そうなんだ。「シニア左翼とは何か。うっ、糞だ!」2016/08/22
小鈴
13
シールズの支持層は若者ではなくシニア層なのはわりと有名な話で、「シニア左翼」から喚起されるイメージって、これまで自民党支持だったのに「戦争法案」に不安を感じて初めてデモに参加したシニアであり、投票人口の多いシニアの左翼化によって政権を左右する可能性が与党からしてみれば潜在的な怖さなんだと思うのだけど、そういった話は一切ありませんでした(笑)。この本の醍醐味はかつての運動家だけでなく当時からいまなお現役の運動家(70代以上!)のルポなんで、そこに興味があれば絶滅危惧種の彼らを見ることができますよ。2016/05/17
funuu
12
単純な構造に考えると学生運動の団塊世代が又デモに戻ってきた感じ。日本は選挙があるので今の安倍政権は一応民意は反映されているはず。打倒安倍政権を掲げて次の政権をどうするかの構想がない感じがする。9条反対に関してももし非武装なら北朝鮮韓国中国と本当に共存していけると考えているとすると事実は見ないようにしている人々。正義を掲げる人々は危険だ。正義の名のもとに連合赤軍の内ゲバ粛正。ロペスピエールの世界しかない。2019/10/28
ムカルナス
10
全共闘世代の人は過去をどのように総括して現在に至るのかを知りたかったが本書は彼らを否定することはせず類型化して現状を語るのみ。SEALDsが彼らに歓迎されたのは凋落の一途をたどっている左翼が最後の希望の砦として立場の違いの乗り越えて飛びついた感がある。シニア左翼は思想を突き詰めたというのではなく反権力でいることに爽快感、革命という言葉に高揚感を持つ人々らしい。過去を懐かしみ「青春をもう一度」の人、過去の自分を否定するのはプライドが許さない人、色々だけど結局もう老人なのにまだ大人になれない人々ではないのか?2016/08/23