朝日新書<br> エロスと「わいせつ」のあいだ―表現と規制の戦後攻防史

電子版価格
¥850
  • 電子版あり

朝日新書
エロスと「わいせつ」のあいだ―表現と規制の戦後攻防史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 268p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022736512
  • NDC分類 704
  • Cコード C0236

出版社内容情報

【社会科学/社会】日本初の本格的な展覧会開催など「春画」がブーム。しかし春画掲載の週刊誌は警視庁から厳重な「指導」を受けた。エロスとワイセツの線引きはどこなのか? 「チャタレイ」から「ろくでなし子」まで、数多くの具体例で「いやらしさ」の本質に迫る。

内容説明

「文化」か「犯罪」か?性表現をめぐる問題点を具体例を挙げて明らかにする!日本初の本格的「春画展」が大成功。一方、春画掲載の週刊誌は警察から「指導」を受け、女性器をテーマにした作品で作者が逮捕・起訴された。「境界線」はどこにあるのか?かつては、どうだったのか?斯界の第一人者である法学者と、ジャーナリストが解明する。法で裁かれた文学作品の原文も掲載。

目次

第1章 性表現で、いま何が起きているのか(「春画」掲載で警視庁が週刊誌を「指導」;問われた性表現;アダルトビデオの問題―ビデ倫の有罪が確定;漫画表現も摘発対象に―松文館事件;祭事と猥雑性―「かなまら祭」・金山神社)
第2章 文書もかつては「猥褻」だった(刑法175条はどのように生まれてきたのか;文芸作品と猥褻罪;チャタレイ裁判とは何だったのか;悪徳の栄え裁判とは?;四畳半襖の下張裁判の波紋)
第3章 新しい時代の「猥褻」(児童ポルノと猥褻;サイバーポルノと刑法175条の改正;これからの「猥褻」)

著者等紹介

園田寿[ソノダヒサシ]
1952年、熊本県生まれ。関西大学大学院法学研究科博士課程修了。関西大学教授を経て、甲南大学法科大学院教授。弁護士

臺宏士[ダイヒロシ]
1966年、埼玉県生まれ。早稲田大学卒業。毎日新聞記者を経て、フリーランス・ライター。ジャーナリズム論や表現規制問題、ネット関連の事件が主なテーマ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふろんた2.0

15
例え同じものであっても、どこで見せるかによって芸術かわいせつかの解釈が異なる。事例によって線引きするのではなく、個別に判断する必要がある。2016/03/24

活字スキー

15
期待してたのとちょっと違ったかな。法廷という厳粛な場でしかめ面して「これは猥褻か否か」とか論じても、どうしたって滑稽なものにならざるを得ない。性的な刺激を好むのは生き物として健全かつ当然じゃないか。本来なら「必要充分な社会的配慮さえあれば、あとは好きな人が好きに楽しめば?」で済む話を、下手に権力が介入しようとするもんだから「モロ出しじゃなかったらイイんだろ?」とばかりにこじらせまくるHENTAIがエスカレートしちゃうんじゃないか。それとも、良心的繁殖拒否により人類は滅びるべきだとでも?馬鹿馬鹿しい!2016/02/25

たこやき

11
タイトルに「戦後攻防史」とあるものの、歴史的な事例と言うよりも、近年の数件の事例と、過去の数件の事例を描いた、という構成。ただ、その中の個々の事例についての情報は上手く纏まっていると思う。書内でも何度も繰り返されているように「わいせつ」かどうかの判断は曖昧。そして、それを判断するのは、裁判官の感情。さらにいうなら、そこに達するまで、取締りをするのは警察の恣意的判断。本来、そういう組織ではないのに、文化の評価組織になっている裁判所、警察。そんな状況が綴られている。2016/03/21

まあい

2
猥褻規制の意味や意義がまったく分からなかったので、勉強のために読了。代表的な判例がしっかり解説されており、 「相対的猥褻概念」の問題や、現在の猥褻規制の運用のされ方、さらにネット時代特有の問題などがしっかりまとまっている。法学素人にも読みやすく、性について考える人なら、他分野であっても一度は目を通しておくべき一冊。2018/02/23

lily

1
「わいせつ」とは何か、というのは名誉毀損の「名誉」とは何かと同様、古くて新しい議論である。今では生殖器が見えないことが基準になっているが、これは国家権力が判断しやすいということに他ならない。しかしこれがアダルトビデオの百花繚乱を招いている現実がある。総じて大切なのは、あらゆる表現には快不快が必ずあるということ。極論だが、「今日は良い天気」というのも豪雪地帯の人が見れば不快かもしれない。人の感情は様々であるという前提で議論する必要があろう。これが難しいのだが。。2017/08/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10494811
  • ご注意事項