出版社内容情報
【社会科学/教育】大津中2いじめ事件でのずさんな対応、体罰、人権侵害まがいの暴言……教師の問題が取りざたされる今、本当に求められる資質とは何なのか。「教師を支える会」代表として、全国の学校の問題に取り組んできた著者が、今、最前線の教師像を説く。
内容説明
教師の不祥事が取りざたされる今、本当に優れた教師は何をしているのか?いじめへのずさんな対応、体罰、暴言…教師の問題が注目されている現代で、本当に求められる資質とは何なのか。「教師を支える会」代表として、全国の学校の問題に取り組んできた著者が、最先端の教師像を説く。
目次
第1章 お子さんの担任の先生は、大丈夫?
第2章 教師を取り巻く過酷な現状―壊れていく教師
第3章 学校空間で追いつめられる子どもたち
第4章 担任教師に求められる「学級経営力」―学級はルールとリレーションで決まる
第5章 教師としての使命
第6章 新たな時代に求められる「教師の資質」
著者等紹介
諸富祥彦[モロトミヨシヒコ]
1963年福岡県生まれ。1986年筑波大学卒、1992年同大学院博士課程修了。千葉大学教育学部助教授を経て、明治大学文学部教授。教育学博士。現場教師の作戦参謀、「教師を支える会」代表。上級教育カウンセラー、ガイダンス・カウンセラー、学校心理士、臨床心理士などの資格を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mizshnami
30
本書の最後にまとめられた資質は的を射ていると思うが、他の職業でこれほどの条件があるのか。そして教師である自分自身にどれほど当てはまるのか。これが採用基準ならば、合格率は一気に下がるだろう。仕事を続け様々な経験、失敗を重ねながら教師も成長する。しかし、初任者でもベテランと同じ人数を受け持ち、同様の成果を求められるのが、この職のつらいところである。時代の変化に対応し、多様な価値観にもぶれずに当たるには研鑽を日々重ねていくしかない。2016/04/10
Gatsby
27
教育現場で働く人たちにも、子供たちを学校に通わせておられる保護者の方にも、さらにはこれから教員になろうとしている人にも読んでもらいたい本である。教育現場で経験を積んでいる人には当たり前のことも多いけれど、現在の学校の抱える問題点とそれが生じる社会的背景や、教師として生きていくうえで身に付けておくべき技術とか考え方が、具体例も交えながらわかりやすく整理されている。教員支援という立場からではあるが、教員に対する評価は厳しく、温かい。特に若手教員は読んで元気をもらえる本だと思う。2013/08/22
まゆっち
20
先生のお手伝いをする立場となり、読みました。先生というのはホントに難しい。ここに書いてあるような先生に近づきたいけれど、難しい。関わる人との信頼関係を築きながら、自分のペースでやっていこう。と思いました。2017/04/03
ごる
17
勇気づけられる本だった。この本の中でかかれているように今の教員の置かれている立場はちゅらい。きっとこれから先も改善することはないだろう。詰んでるような気もする。それはわかってたけど、最近立ち向かう勇気がなくなっていた気がする。 でも、こういう本を読むと「ガンバろっ!」と思える。 後書きの教師の資質のまとめは書き写しておきたいなぁ。 しかし、教員が読んだらぐっとくるだろうけど、保護者の人でこの本を手に取ってくれる人はいるだろうか。 大学時代、授業とってればよかったなぁ…2013/09/01
けいしゅう
15
自分やほかの誰かのために生きることに本気になりたいという、切なる願いに衝き動かされて。一度きりの生涯の全力を、傾倒するに値する仕事はどこにある。日々思索しながら、自分を更新していける仕事はどこにある。おそらく、その問いに対する世界からの応答の一つが本書だ。圧倒的な使命感、情熱、そして、世の中の課題を我が事として引き受け、責任を持って考え抜く姿勢。たとえ教員ならずとも、人として魅力的な生き方がここにはあるだろう。教員志望の方が総論として読む本としてはもちろん、全力で仕事に打ち込みたい全ての社会人におすすめ。2019/03/26