出版社内容情報
【社会科学/政治】「霞が関の盟主」財務省が、今や一国を支配しようとしている。この強固な組織は、いかに復権したのか? 許したのは誰か? なぜ国家にとって危険なのか? 元エリート官僚の著者にしか分からない内実を明かし、増長官僚と衆愚政治家を斬る。
内容説明
政権交代で「財務省の敵」自民党の族議員が退場し、民主党は政治主導に、あえなく失敗。そのスキを突いて凋落の一途をたどっていた財務省が、再び「盟主」の座に―。しかし、本当はこれほど単純な図式ではない。政治と官僚組織との「20年戦争」の帰結なのだ。元キャリア官僚が、最強官庁の実態を実例を挙げて徹底解説。大阪維新の会など、今後の政治・行政の行方も予測する。
目次
第1章 財務省支配論の今昔
第2章 自民党末期の政官関係
第3章 民主党政権でなぜ財務省は復活できたのか?
第4章 野田政権下で進む財務省支配の実態
第5章 「主導」から「支配」、そして「亡国の財務省」の時代へ
第6章 政官共倒れの後にくる政治カオスと国家破産
著者等紹介
中野雅至[ナカノマサシ]
1964年奈良県生まれ。旧労働省入省。ミシガン大学大学院留学、新潟県庁課長、厚生労働省課長補佐などを経て、公募に応じ現在、兵庫県立大学大学院教授。安倍内閣で「官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会」委員を務め、公務員改革に深く関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペールエール
2
財務省陰謀論とかじゃなく、理論立てて内部に実情を説明している良作。 国を叩くってばかりのパフォーマンスはさほど生産性は無い。 国を利用する、そのために・・・って考え方を出来ればいいと思った。2013/11/11
AI
0
元官僚が財務官僚の取材を重ねるなどして執筆。「財務省支配」という曖昧模糊とした言われ方を、80年代のハード型、90年代以降のソフト型と時間軸での変遷と、政権との力関係、浮沈の法則性を解き明かす。 2012年に書かれたものだが、次は右派革命が10年続く、など、予言的示唆も豊富。中曽根政権以降、長期政権と財務省の低迷は関係性があるのではと気になっていたなかで、なるほどやはりそうかと思わせ、頭を整理させてもらった。2016/04/17
代理
0
予算を把握するということは、各省庁が『なにをやっているか』を把握すること。という指摘は勉強になった。あとは推測ともごもごした表現が多くてがっかり。2014/02/21
ゆあ
0
財務省が権力を握っていると言われる根拠についてよーくわかりました。 「財務省支配」etcよく耳にするけれど、それが具体的に何を指しているのかわからないまま漠然とわかった気になっていたことを反省です。2014/02/15
大猫熊
0
著者は役人をなぜ、やめてしまったのだろう。予算の決定をやり取りする中でいわゆる族議員が跋扈した自民党時代の政府、それは良くも悪くも官僚支配をけん制していたと知る、なるほど、組織には組織化された構造がうまれているんだなと、改めて現在の政府与党の基盤の脆弱さを考えさせられる。霞が関の埋蔵金などとさも見せかけに喧伝してきたことを思えば、消費税増税にあっさり走ってしまったのは大蔵省時代の付けを国民が払わせられるという結果なのだろう。この作品は文学出身の著者にしては裏側というか、暴露の内容が表現されていないのだが。2012/09/21
-
- 和書
- 新月譚 文春文庫