種子散布―助けあいの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子

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種子散布―助けあいの進化論〈1〉鳥が運ぶ種子

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  • サイズ A5判/ページ数 109p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784806711926
  • NDC分類 471.71
  • Cコード C0045

出版社内容情報

擬態をめぐる自然界のしくみのおもしろさと、動けない植物がみせるさまざまな種子散布戦略にスポットをあて、動物と植物の不思議な共生のしくみを、第一線で活躍する研究者たちが解説する。  ★★★バーダー評(2000年3月号)=国内の植物・動物研究者が、動物と果実の共進化について、さまざまな側面からアプローチ。植物から見た種子散布、動物から見た種子散布を知れば、自然界の不思議な関係にますます興味がわいてくる。★★★遺伝評(2000年5月号)=種子の分散に動物を利用する植物と種子や果実を餌として利用する動物との関係とそれを支える種子や果実の形質に関する自然史と生態学の研究論文のアンソロジー。随所に置かれたコラムには、果実にまつわる肩の凝らない話題が取り上げられており興味深い。★★★  ●●●「はじめに」より=「赤い鳥、小鳥、なぜなぜ赤い。赤い実を食べた」と、子どもの頃に歌った人も多いだろう。この赤い鳥は何の鳥だろう。ベニマシコだろうか、それともヒレンジャクだろうか。赤い実は何だろう。ナンテンだろうか、ナナカマドだろうか。赤い実はこれだけではない。ガマズミ、モチノキ、センリョウ、マンリョウ、サンゴジュ、イイギリ……、野山で見かける木の実の圧倒的多数は赤である。自然界に紫や黄色の実でなく赤い実が多いのはなぜだろう。その前に、自然界にはそもそもなぜ果実(フルーツ)があるのだろう。モモやリンゴなど甘くて大きい果実は、人間が長い歴史の中で改良に改良を加えてきたものである。だがヒトのいなかった時代にも、モモの祖先やリンゴの祖先は実をつけていた。それらは現在の栽培種に比べ、小さくて、甘みも少なかっただろうが、果実にはちがいなかった。ヒトのいない時代に、果実は誰のために存在していたのだろう。この問いに対する進化生物学者の答えは「それはサルや鳥たちのためである」というものである。といっても植物がサルや鳥のために一方的に果実をつけてやらねばならない理由はない。植物にとって大切なのは次世代をつくる種子であって、それをとりまく果肉の部分ではない。ではなぜ植物は果肉に多量のエネルギーを投資するのだろう。そう、植物はそれなりの見返りを期待しているのだ。一言で言えば、果実は、動けない植物が鳥やケモノに種子を運んでもらうための報酬として進化させた道具なのである。この本では植物と動物の14人の研究者が、動物と果実の共進化の問題について、さまざまな側面からアプローチした。ある程度、専門的な本ではあるが、卒業論文をひかえた学生や大学院生には研究のアイデアの宝庫だと思う。小・中・高校の理科の先生方には、この本を材料にして、教室で子どもたちに、動物と植物のびっくりするような不思議な共生の仕組みを語ってもらいたい。自然をより深く理解したいと願うすべてのナチュラリストの方々に読んでいただきたい。●●●  【主要目次】動物は種子散布とどのように関わっているか?---種子散布研究の目的と方法/鳥類に食べられて運ばれた種子の空間分布/鳥と多肉果のもちつもたれつの関係---果実の形態、生長、成熟フェノロジーとヒヨドリの好み/コラム『鳥は窒息しない?』/鳥散布果実の色と大きさ/コラム『レンジャクの大量突然死』/果実の二色ディスプレイ戦略---植物はどのように鳥を誘引しているか/意外な鳥の意外な好み---目立たない“乾果”を誰が食べる?/林の中の“草の実”を運ぶもの/コラム『「毒を持つ液果」の話』/実をつけた木の下でのシードトラップ実験

内容説明

本書では植物と動物の14人の研究者が、動物と果実の共進化の問題について、さまざまな側面からアプローチした論文17本を掲載している。

目次

動物は種子散布とどのように関わっているか?―種子散布研究の目的と方法
鳥類に食べられて運ばれた種子の空間分布
鳥と多肉果のもちつもたれつの関係―果実の形態、生長・成熟フェノロジーとヒヨドリの好み
鳥散布果実の色と大きさ
果実の二色ディスプレイ戦略―植物はどのように鳥を誘引しているか
意外な鳥の意外な好み―目立たない“乾果”を誰が食べる?
林の中の“草の実”を運ぶもの
実をつけた木の下でシードトラップ実験

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