内容説明
スカイツリーの向こうにはまだ見ぬ町があった。押上、向島、北千住、立石、小岩など、明治以来の東京の広がりによってできた「新しい下町」。路地裏、花街を歩き、銭湯につかり、居酒屋で飲みながら、同潤会やモダニズム建築に江戸東京の田園都市の幻影を見る―町歩きの達人が、それぞれの町の歴史、個性、魅力を探り出した「新東京論」。
目次
序 スカイツリーの足下から広がる「昭和の下町」へ
第1章 震災とモダニズム―押上・両国・錦糸町・亀戸
第2章 田園都市・江戸の幻影―向島・曳舟・京島
第3章 路地と迷宮のある宿場町―北千住
第4章 生活を支える庶民の町―西新井・梅島・五反野
第5章 近代を担った工場の町―日暮里・尾久・三ノ輪
第6章 リカちゃんを生んだ美しい水の郷―堀切・青戸・立石
第7章 旅人を受け入れる東の果て―小岩・小松川・市川
著者等紹介
三浦展[ミウラアツシ]
1958年生まれ。82年一橋大学社会学部卒、パルコ入社。情報誌『アクロス』編集長となる。99年カルチャースタディーズ研究所設立。世代マーケティングのほか、家族、消費、階層、都市問題などを研究し、新しい社会デザインを提案している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雨巫女。@新潮部
12
《私‐図書館》スカイツリーのお膝元が、下町情緒いっぱい。ぜひ、訪れたい場所になりました。2012/03/02
おかむら
8
スカイツリーにもソラマチにも行かない町歩きですが、こちらの方が全然楽しそう。昭和が色濃く残る商店街、路地、銭湯、店舗、住宅! 東京に30年も住んでたのにこっち方面は知らなかったわ。イケてない地域と思ってた。でも加齢のせいか代官山や自由が丘や吉祥寺より、あまは北千住や亀戸や小岩の方がしっくりくる。来月東京行くのに持って行こうこの本。2013/11/20
てっしー
5
東京の下町散歩記として優良。豊富な知識と共に方々を歩く。写真がとにかく素晴らしい。本当にこの本のために撮ったものか疑いたくなるほど古めかしくて良い。難点1。スカイツリー、特に関係なし。下町との絡みで著者のいつもの鋭い分析を見せてくれるわけではない。難点2。著者の他の著書と同様、相変わらず人に話しかけない。フットワークは軽いけど口は重いようで。「…だろうか?」「…かよくわからない」←じゃあ試しに誰かに聞いてみろよ!そういえば美しい写真群の中にほとんど人間出てこないな。何とも不思議な散歩記だった。2013/09/17
いくっち@読書リハビリ中
4
著者の本を読みたくて、手っ取り早く馴染めそうなところからと読んだ一冊。これは・・・わかっていて読むのと装丁に釣られて読むのとでは全く違う本だ。「東京下町」の関東大震災後と戦前の地図を手元に歩きながら綴ったもの。新しい町の向こうにあるまだ知らない懐かしい東京。スカイツリーと散歩という売れそうなネーミングを持ってくるところはちょっと違和感が。新しい発見もあったし着眼点も今まで読んだものとは違うので興味深かった。2012/02/11
パーやん
2
東京の下町はその発生の時期により4つに分類できるそうで、この本では昭和に発展した第3...荒川、墨田、江東〜第4...足立、葛飾、江戸川の下町を散歩している。元祖下町の神田や浅草は江戸の切絵図を眺めながらの町歩きが人気だが、この辺りは、元々農村漁村だったので、昭和初期の地図を頼りに昔を想像しつつの散歩である。恥ずかしながら、隅田川、荒川、江戸川の位置関係を初めて認識💦。亀戸や柴又って結構距離があり東京の東側が広いんだなぁと感じます。仕事で三ノ輪、北千住に縁ができたので、地図を片手にB級グルメに歩きたい。2019/05/11