内容説明
コシヒカリ誕生から半世紀。全国の作付面積は40%近くにも及ぶ。だからこそ、このブランド米には数々の弊害がある!次世代の米を探求する植物遺伝学の第一人者が、最新の研究成果を解説し、生物多様性と米作りの未来を考察する。
目次
序章 スーパースターの素顔
第1章 コメの「うまさ」とは何か
第2章 コメの品種はどのように作られてきたか
第3章 コシヒカリの寿命
第4章 生物多様性と多彩なコメ文化
第5章 偽コシヒカリ問題
第6章 地球温暖化とイネの将来
第7章 ポストコシヒカリ時代がやってきた
著者等紹介
佐藤洋一郎[サトウヨウイチロウ]
1952年和歌山県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。農学博士。専攻は植物遺伝学。国立遺伝学研究所助手、静岡大学農学部助教授などを経て、総合地球環境学研究所副所長・教授。稲の起源、伝播の研究に長年携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
48
日本の農業問題への新鮮な問題提起。農業の自由化か保護かという二項対立を、生物多様性という思いもよらぬ観点から乗り越えている。そもそも、それを語るのにコシヒカリを取り上げる、という視点の新しさ。著者は、コシヒカリとその兄弟(ひとめぼれ、あきたこまち等)で日本の田んぼの2/3が占められてしまったことを憂える。これは史上なかったこと。何が問題かというと、品種の多様性が失われるとともに、コシヒカリの遺伝的多様性も失われることにより、環境変化に脆弱になる。例えば19Cのアイルランドのジャガイモ飢饉の原因がそれ。2015/10/28
takao
3
ふむ2024/02/15
Teo
1
タイトルは釣り。但し中身はまっとうなのでそれに見合ったタイトルにすれば良かったのに。最近の売る為の釣りタイトルを付ける傾向はその新書のブランドを撃墜する方向にあると思う。さて中身だが、コシヒカリの話を中心に稲の品種と多様性の話。私は元々理学部で植物系統分類が専門だったからまあ品種とはそんなものだとは思うが、維持するのは実際に現場の労力がかかるものだと知った。農業者戸別所得補償制度で農業がどうにかなると思っている頭の逝かれた政府の下では早晩今の贅沢な米食は維持できなくなるだろう。所得補償でこれだけの手間暇を2010/07/03
YUTAKA
0
すでに流通しているコシヒカリに追従する品種について、もっと触れてほしかった2014/02/27
Haruki
0
米は奥が深い!2013/10/29