内容説明
世界各地の「マネー爆弾」が炸裂、国債暴落で超インフレが襲来する!?リーマン・ショック後、世界はいったん落ち着きを取り戻した。巨額の政府マネーが銀行救済や景気対策につぎ込まれたからだ。しかし、各国の膨れ上がった財政赤字が今度は大問題に。ドバイ・ショック、ギリシャ問題は入り口にすぎなかった。気鋭の大学教授と現役のメガバンク行員が、世界恐慌へ至る恐怖のシナリオを大胆に描く決定版。
目次
プロローグ 未体験ゾーンへ
第1章 なぜリーマン・ショックは克服できたのか
第2章 世界のマネー爆弾その1―アメリカの闇
第3章 世界のマネー爆弾その2―ヨーロッパの憂鬱
第4章 世界のマネー爆弾その3―日本の能天気
第5章 大恐慌との奇妙な類似
第6章 蓄積されたマグマは破裂する
エピローグ 2012年××月××日―恐慌勃発
著者等紹介
相沢幸悦[アイザワコウエツ]
埼玉大学経済学部教授。1950年生まれ、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。1989年から日本証券経済研究所研究員、96年、長崎大学経済学部教授に。2001年から現職
中沢浩志[ナカザワヒロシ]
三井住友銀行企業情報部勤務。1963年生まれ。東京大学工学部卒業後、1985年に三井銀行(現三井住友銀行)に入行、為替ディーリング、外債投資、企業投資部門などを経て、2009年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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OTIUM
3
リーマンショックの不良債権が民間より国家に移動、ソブリンリスクとなっている。対処方法は?破綻すれば、連鎖となって他の国も傷つく。先送りしても成長がなければいずれより酷く破綻する。成長の芽(金融以外で)を探し育てる必要がある。昔石炭産業を安楽死させたように公的部門を改善してもらいたいですね。2012/05/04
ango28
2
リーマン破綻後の書。2010年の後の国家的な経済破綻の火種を数点列挙している。マクロ経済の指摘であって指南ではないのでミクロ的に今後どの様に生き抜くかのヒントがある訳ではない。客観的指摘なのでエピローグ以外は読み易い。巻末で願う様な人類の叡智ではなく、寧ろ欺瞞が世界をとりあえず救済するのだと個人的に予想する。2010/07/30
tetsu
1
★3 2012年で世界恐慌はまだ起きてないけど、ヨーロッパの現状をみるとソブリンリスクはそこまできていて、すでにいろいろなものが破たんしているのではないかと思う。世界はこの先どうなるのか。 一度どこかで借金リッセットするとかしか道はないような・・・2012/06/20
Honesty
1
世界経済は、2008年のリーマンショックによって負った傷を、各国の金融緩和政策や巨額の財政政策によってマネーでジャブジャブにすることで、なんとか癒してきた。しかしその結果各国とも財政赤字が膨らみ、国債のデフォルトというソブリンリスクが顕在化し、1929年来の新たな恐慌の危機が2012年に訪れる可能性を示唆している。各国の政策は「正しい」。ただ個別では正しくても全体では誤った方向になってしまう「合成の誤謬」が問題をより複雑化させている。国家が破産して投機筋がもうかるCDSの存在に疑問を持たざるを得ない。2012/02/02
takane-m
1
アメリカの財政赤字から始った米国債デフォルト危機に端を発した昨今の世界的な経済危機は本書が警告する世界恐慌の始まりとなるのか。今だからこそ必読の書。2011/08/12