出版社内容情報
なぜ、虐待は起こるのか。虐待を防止し、傷ついた子どもを救う手立ては何か。1週間に1人の割合で子どもが虐待死する現代。虐待は他人事ではなく、どの家庭でも起こりうる問題として認識し、理解すべきである。朝日新聞・大阪本社編集局発の渾身のルポ!
内容説明
1週間に1人の割合で、子どもが虐待死している現実。どうすれば、虐待は防げるのか?児童相談所、児童養護施設、里親、教育現場、医療機関…様々な「現場」から虐待問題の本質に迫る、渾身のルポ。
目次
第1章 「鬼父母」と呼ばれた夫婦
第2章 虐待をやめられない
第3章 児童相談所24時
第4章 児童養護施設の子どもたち
第5章 里親と育つ
第6章 傷ついた子と教師たち
第7章 回復に向けて
虐待問題の専門家による「座談会」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shigoro
6
子供の頃に虐待を受けて育った親、特に育児をする母親が、自分の子供に虐待する。負の連鎖とも言えなくはない。普通の人はしつけと言う大儀があっても手を挙げることをまったく考えもしない。しかし虐待を受けた人は知ってしまっている。知ってしまってるゆえに、頭の何処かでしつけの選択肢に挙がってしまうのかもね。「暴力を止める方法を教えてほしい」といのは一般の人が聞くと間が抜けているが、本人は本当に切実な問題なんだろうな。 2012/05/06
RED
5
ぜひ大勢の日本人に呼んでほしい。これは全員が知らなければならない日本の社会問題だ。リアルで痛々しい話が盛り込まれていて、何度も胸が締め付けられた。自分に何かできることはなんだろう。2018/02/08
ステビア
5
ひどい話だ。2014/03/23
ふたば@気合いは、心を込めて準備中
4
『結局のところ、親は無力で良い』子供と一緒になってオロオロしているのが最良の寄り添い方である。これに尽きるのだと確かに納得できる。子供が自分の将来に向かって、悩んだり挫折したり、方向性を見失ったりしたとき、一緒になって『考える』親であることが、子供に生きる強さを与えるのだと。大人の思う良い生活や、ステータスを過度に押し付けては、子供から生きる意欲を失わせる。そうして潰されてしまった子供たちが大人になったとき、どういう結末を迎えるのかが具体例を挙げて解説されていて、親の役割について考えさせられた。2019/09/22
カタコッタ
4
こんなことがあってはならない。裁けばよいという問題でもない。どうしたら未然に防げるか、真面目に考える必要がどの世代にもあると思う。2015/04/22