内容説明
本書はアメリカでは青少年、特に大学新入生を持つ親の必読書といわれる。カルトの定義、子どもが入信した時の対応法、脱会させるためのテクニックが、カルト的な教団に6年間入信していた著者の体験を踏まえて、親子の対話形式でわかりやすく説かれている。
目次
第1章 事例研究 モナ・ウッドのケース
第2章 破壊的カルト
第3章 親が体験したこと
第4章 問題の解決に向けて準備しておくこと
第5章 問題を明らかにする
第6章 戦略を立てる
第7章 カルトを見直すように仕向ける
第8章 カルトの作用を理解させる
第9章 非カルト世界を評価させる
第10章 選択させる
第11章 社会復帰へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨミナガラ
11
“カルト信者はしばしば、信仰を深めるためとして特殊な言葉や話し方(時として“仕込まれた言葉”といわれる)をする。親がこれらに通じていることは、むろんけっこうだが、子どもとのディスカッションの中でこれを不用意に使わないように強調したい。もしそうすると、カルト用語の信頼につながり、教義を無批判に受け入れることになりかねない。もし子どもがそのような言葉を使うなら、親は次の対話例(原注・対話例は〔…〕暗記するためのシナリオではない)のように、カルトに無関係な言葉での説明を求めるべきである。”2014/06/08
ybhkr
1
タイトルからカルトへの予防のような印象だったけど、すでに入信した我が子を立ち直らせる本だった。元タイトルの直訳「カルト-親が知っておくべきこと」のほうが内容にマッチしているように思う。宗教に対してかなりの自由を認めている国であるアメリカにおいてカルトと呼ばれる定義はなかなか難しい。反社会的ではないカルトについての記述などなかなか興味深い。エホバの訪問も日本のように門前払いするひとは少ないような国で、離れて暮らす成人した我が子をカルトから救うのは日本以上に大変そう。だが、カルトの手口は世界共通である。2016/05/09
gurisan
1
大人はカルトの知識があるかもしれないけど、まだまだ。子どもが大学、都会などへ行くときに、なんと巧妙にカルト組織が口を開けて待っていることか。 組織だから、ひととおりの応対などもしっかりとマニュアル化されている。実にうまい。だから、その辺の仕組みについてしっかりと教育していかないと、うっかりだまされかねない。