出版社内容情報
ベストセラー待望の文庫化! 食べることに嫌悪を覚えている高校生・三橋唯。「食べること」と「人のつながり」はあまりに分かちがたく、孤独に自分を否定してきた唯が初めて居場所を見つけたのは吸血鬼の館だった。《解説・令丈ヒロ子》
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
24
食べることそのものに嫌悪を覚える女子高生・三橋唯。孤独で自分を否定するしかなかった唯が、食べ物の匂いがしない「吸血鬼の館」で謎めいた男・泉と出会う青春小説。食べ物を口に入れて咀嚼すること自体に嫌悪感を抱いていて、食べても吐いてしまう状況を友人や両親にも話せない唯の苦悩。そんな彼女が出会った血しか飲めない奇病の泉の下で過ごす、無理をしなくていいつかの間の平穏な日々。容易には解決しない悩ましい状況で、それでも分かってもらえないではなく、自分の思いを伝えていこうと少しずつ変わってゆく唯の姿が印象的な物語でした。2025/08/08
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いつか自分の通り過ぎた、覚えのある生きづらさやしんどさを目の前に提示されるようなしんどさがあった。決して同じ症状じゃないんだけど。 過去の記憶と対峙させられるようでめちゃめちゃしんどいけど、でも大人になってしまった自分では思い返すことしかできないまぶしさがあった。記憶に刺さる。2025/08/13