出版社内容情報
奈良時代の律令制度もある意味“押しつけ憲法”/凡人・藤原道長の強運と女運/考える女・紫式部と感覚する女・清少納言の本当の仲は?/公平な勤務評定があった鎌倉武士団/定家は出世亡者/清盛と田中角栄の日中国交回復/貞奴と一葉は女性史の表と裏――古代から明治まで、埋もれた歴史の事実を掘り起こす日本史対談集。
内容説明
奈良時代の律令制度もある意味“押しつけ憲法”、凡人・藤原道長の強運と女運、公平な勤務評定があった鎌倉武士団、定家は出世亡者、清盛と田中角栄の日中国交回復、貞奴と一葉は女性史の表と裏―古代から明治まで、埋もれた歴史の事実を掘り起こす日本史対談集。
目次
開かれた島国―古代王朝人の系譜
女と怨霊でうごく平安王朝
手づくりの革命―鎌倉時代
北条氏から後醍醐
戦国人の魅力
江戸三百年の成熟
明治の女
著者等紹介
杉本苑子[スギモトソノコ]
1925年東京生まれ。62年『孤愁の岸』で直木賞、78年『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞、86年『穢土荘厳』で女流文学賞を受賞。2002年菊池寛賞と文化勲章を受けた。17年逝去
永井路子[ナガイミチコ]
1925年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業。64年『炎環』で直木賞、82年『氷輪』で女流文学賞、84年菊池寛賞、88年『雲と風と』ほかで吉川英治文学賞、2009年『岩倉具視』で毎日芸術賞を受賞。23年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
104
今でこそ歴史小説を書く女流作家は多いが、昔は、この二人が両巨頭だった。1925年生れの同い年。対談は、仲の良い同級の女子高生が、級友や先輩の人物評をしているノリで、抜群に面白い。「菅原道真なんて、会社のライバルに蹴落とされて左遷されたような人にお願いしたって、合格も出世も無理ね」。「北条泰時は立派な男だと思う」「私も好きよ」。「藤原定家、あの人はゴマすりでねえ」。「信長、秀吉、家康、誰が好き?」「いやだあ、みんな願い下げだわ」。勿論、人物評だけでなく、史書に基づく二人の知識の豊富さにも圧倒される。楽しい。2024/08/18
のびすけ
21
単行本で読了。同い年の女流歴史作家、永井路子先生と杉本苑子先生による対談集。歴史学者なみの広い知識と深い見識をお持ちのお二人が日本の歴史を語る。お二人が楽しそうに意見を交わしていたのが印象的だったけど、マニアックな話題で置いてけぼりを食うような部分も多かった。藤原氏の摂関政治の安定を、天皇・母后・外祖父のジャンケンポン(本当はどれが強いかわからない)に例えているのが面白い。2025/01/20
どら猫さとっち
9
同い年の歴史小説家のレジェンドが語り尽くす、古代から明治までの日本史の女と男。開かれた島国の古代から、女と怨霊で動く平安時代、源平から戦国の男と女の実像など、ユニークな語り口とさまざまな資料などからの観点で語られるのが面白い。藤原道長の幸運度、織田信長の知られざる素顔、樋口一葉と川上貞奴が生きた明治期の明暗など、見方次第で、歴史は面白くなるのか。痛快で明快な歴史書。2025/04/29
ポメ子
5
二人の対談で、定説になっている人物像が、意外な一面を持っている事を知って興味深かった。2024/10/22
ゆずこまめ
3
お二人が楽しそうで、つられて一緒に楽しませてもらいました。この歴史愛がお二人の著作の面白さを支えているのだと思う。2025/03/03