出版社内容情報
たった一つの誤解からすれ違う大店の夫婦(「女、ふたり」)、集金した金を持ったまま消えた紙問屋の長男と店を守るその弟(「まききら」)、江戸から駿府に向かう船に乗り合わせた旧幕臣とその家族(「船出」)など5編。感動の傑作短編集。
内容説明
たった一つの誤解からすれ違う呉服問屋の夫婦(「女、ふたり」)、集金した金を持ったまま姿を消した紙問屋の長男と店を守るその弟(「まききら」)、移住先の駿河へ向かう船に乗り合わせた旧幕臣とその家族(「船出」)など5編。時代小説の名手が人生の哀歓を描いた傑作短編集。
著者等紹介
細谷正充[ホソヤマサミツ]
1963年埼玉県生まれ。文芸評論家
あさのあつこ[アサノアツコ]
岡山県生まれ
梶よう子[カジヨウコ]
東京都生まれ
北原亞以子[キタハラアイコ]
東京生まれ。2013年逝去
藤原緋沙子[フジワラヒサコ]
高知県生まれ
諸田玲子[モロタレイコ]
静岡県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
129
細谷正充さん編の5話。ラインナップだけで満足しちゃう。既読の作品もあったけれど、どれも安心して浸る事が 出来る。3話目の北原さんからの藤原さん、胸が熱くなった結びの諸田さん。満たされて、こんなアンソロジーは大好きだ。2024/09/08
タイ子
78
<ゆるし>をテーマに5人の女性作家によるアンソロジー。人が人を許すということは、そこに愛憎が生まれ、人生が紡がれる。これだけの時代小説の名手にかかっては短編ながら長い作品を一つ読んだ気分になれるのが嬉しい。この中で私にとって忘れがたい作品が一つある。北原亞以子さんの「その夜の雪」だ。「慶次郎縁側日記」シリーズを愛読してきて、何作目かに慶次郎の娘・三千代が男に乱暴され自死する話がある。それを本作で久しぶりに目にし再度涙が溢れた。最近、このシリーズ読んでないのでまた読みたい。他の作品どれも胸を打つ作品揃い。2024/09/16
しげ
55
「朝日文庫時代小説アンソロジー」数有る編から此方をチョイスさせて頂きました。宇江佐真里さんの「伊三次シリーズ」あとがきを寄せられていた作家さんばかりで目に止まりました。「鎌倉殿の…」「どうする家康…」「宇江佐さん…」暫く現代に戻って来れていない自分に気が付きます。2024/11/17
baba
30
アンソロジーは、色々な作家さんが楽しめて好きでしたが、表題『ゆるし』を良く考えて手にするべきでした。好きな作家さんばかり。それにしても北原さんの「その夜の雪」は圧巻でした。改めて続きを読みたい。2024/11/10
ひさか
22
オール讀物2011年6月あさのあつこ:女,ふたり、 2010年8月角川春樹事務所刊梶よう子:いろあわせ摺師安次郎人情暦からまききら、1994年9月新潮社刊北原亞以子:その夜の雪、2010年11月新潮社刊藤原緋沙子:坂ものがたりからひょろ太鳴くー鳶坂・夏、2005年4月講談社刊諸田玲子:昔日より船出、のゆるしをテーマにした5つの短編を2024年8月朝日文庫刊。北原さんのここから広がっていく世界を予見できる「その夜の雪」が圧巻。2024/09/30
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