出版社内容情報
片田舎での暮らしをきらう高校生の奈緒は、東京から越してきた亜矢子と親しくなる。しかし、それを境に村の空気は一変し、亜矢子の口数も少なくなってしまう。疑念を抱く奈緒は、密かに彼女の自宅に忍び込もうとするが……。解説・西上心太。
内容説明
「お盆が明けたら、魂はあの世へ帰るんだよね?」地蔵を信仰する集落で育った高校生の奈穂は、東京からの転校生の言葉に胸騒ぎを覚える。一方、村の老人たちは余所者に異常なまでの警戒心を抱き始め…。村の因習が綻ぶ時、脈々と息づく恕嗟の声が木霊する!
著者等紹介
川瀬七緒[カワセナナオ]
1970年福島県生まれ。2011年『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。21年『ヴィンテージガール 仕立屋探偵桐ヶ谷京介』で第4回細谷正充賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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倉屋敷??
3
よそ者を嫌い閉鎖的で色々な因習が残る集落が舞台。 そこに東京からある一家が越してきて…。 ずっと何が起こるわけでもないのに不気味な雰囲気を漂わせながらいつの間にか引き込まれてた。 そしてこの結末は結構珍しい終わり方で新鮮でしたね!2024/03/15
なつの
3
川瀬さんの『よろずのことに気をつけよ』がめちゃくちゃすきなのだけど、同じ人にはぜひ読んでもらいたい。 田舎の因習✕ホラー✕ミステリがとてもいい塩梅。 主人公が好感度高く、読みやすい。2023/12/10
Steppenwolf
1
F以下 作者の作品としては不満であった.12月7日から読み始めて今日までかかってしまったことが本作の出来具合を示していると思う.舞台は福島県のどこか,しかし茨城との県境と思う.農村の高一の遠山奈緒は,村を出たいと思いながら家の手伝いなどをさせられている.そんなとき東京から美少女一家が村に移住してくる.偏狭な村人はなにかと目の敵にしようとし,奈緒はそれに反発する.村の地蔵を絡めてそのあたりを描いているものの最後まで心理的な描写を煽るだけと思った.美少女が最後に明かす事実だけが真の恐ろしいことである.2023/12/31