出版社内容情報
この男は人殺しです――。仮釈放となった中道隆太を待ち受けていた悪意に満ちた中傷ビラ。いったい誰が何の目的でこんな仕打ちをするのか?孤独な犯人探しを始めた隆太の前には巨大な障壁が立ちはだかった……。殺人者が社会復帰を果たすすべはあるのか、そして、家族を奪われた者はどうすれば救われるのか。加害者と被害者、それぞれの罪と罰の意味を問うサスペンス巨編。《解説・児玉清》
内容説明
この男は人殺しです―。仮釈放となった中道隆太の周囲に撒かれる中傷ビラ。いったい誰が何の目的でこんな仕打ちをするのか?孤独な犯人探しを始めた隆太の前に巨大な“障壁”が立ちはだかる。殺人を犯した者の“罪と罰”の意味を問うサスペンス巨編。
著者等紹介
真保裕一[シンポユウイチ]
1961年生まれ。91年『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。96年『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年『奪取』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞、2006年『灰色の北壁』で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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youyou88
11
犯罪者は生涯許されることはないのか…。 これはほんっとに難しい。 本人が反省しているのかどうか、悔いているのかどうか判断するのは難しいし。 犯罪の種類とか理由、色々な案件があるし。 とても考えさせられる小説 https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11376654768.html2023/09/10
ジョルジョ
1
犯罪の奥深くに潜む真実を考えさせる本だった。被害者、加害者の家族の苦悩は、どちらの立場からも厳しい現実であり、考えさせらる。主人公の加害者は、先に手を出した被害者から身を守るための行動が殺人に繋がったが、そのようなケースは、多々あるのではないかと思う、警察や司法は、十分な捜査して、最終的な判決を出してほしいと願う。2024/06/03
みい
0
「罪を犯した人間は許されることはないのか?」 とても難しいテーマ。''繋がれた''にこめられた意味の解釈。 主人公のように周りに恵まれた人ばかりではないと思う。手を差しのべられる人でありたいと感じた。2025/04/17
noboruueshima
0
犯罪加害者と被害者の心理がよくわかった。お互いに大きな理不尽を抱えている。歩み寄れることはないが、加害者から歩み寄ろうとするが、理解をするには大きすぎる壁がある。しかし周りの人や一部の人は理解してくれる人がいる。つまり被害者に誠実に向き合うことが大切だとわかる2024/07/20
いち
0
人を殺してしまい、少年刑務所から仮出所するが、想像以上に辛い現実が待ち受けていた。家族も世間から非難され、ひっそりと暮らす。幸い保護司や職場の人間に恵まれ、真っ当に生きようと決意する。2024/05/08