出版社内容情報
深川老舗大店のあるじ・桔梗屋太兵衛は、筆の稽古で賭場の貸元の猪之吉と出会い、肚を割った付き合いをする。病に伏した太兵衛は、騙り屋に狙われた店の後見を猪之吉に託して逝くが……。渡世人が実直な堅気の商人のために見せた男気と友情。これぞ一力節!
内容説明
深川老舗大店のあるじ・桔梗屋太兵衛と賭場の胴元・猪之吉は互いの人柄に惹かれ、盃を交わすようになる。病に伏した太兵衛は、騙り屋に狙われた店の後見を猪之吉に託し逝くが…。渡世人が実直な商人のために見せた男気、心揺さぶる時代小説。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年高知県生まれ。作家。東京都立世田谷工業高校電子科卒業。さまざまな職を経て、97年に「蒼龍」で第77回オール讀物新人賞を受賞。2002年に『あかね空』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だまし売りNo
31
騙り屋は虚偽の大量発注をして、原料などを購入して商品を作らせ、大損させようと仕掛ける。虚偽発注して商品を作ったが、代金は支払われないという構図は残ったままである。作った商品を有効活用し、それによって店の評判を上げる。人情小説らしい構図であるが、虚偽の注文によって無駄な材料は無駄になり、それも騙り屋の責任にさせる方が、だましの被害にあった立場からすると清々しい。だまされても、それを上手く活用することを要求されることは割に合わない。 2023/04/29
tecchan
1
久方ぶりに著者の作品を読んだ。あいわらず読者を飽きさせなく読ませ、読後感も良い。2023/12/25
giunyu
0
親父さんからまわってきて何も知らずに読み進めて面白い!と一気読みでした。2024/02/12
Naoko Fukumi Fujita
0
一番好きな作家の文庫本、巻末によると新装版として2023年5月30日第一刷発行とある。最近は週刊誌3冊と月刊小説誌1刷と隙間時間の電子本がルーティーンであること、読書スピードが速くないこともあり数か月積読状態、主に通勤時間を利用した。職業の異なる二人がお稽古事で出会い意気投合、片方が亡くなり引き継いだ相棒が知恵と人脈を屈指して大きな困難を乗り越えるちょっとしたミステリー要素も備わった本当に面白いお話。小道具や食の表現が何ともいえず、近いうちにまた弁松のお弁当を食べようと思った。縄田一男の解説もすばらしい!2023/09/28
りゅう
0
このあたりの時代の小説好き2023/07/27