出版社内容情報
小学校2年生の時に別れたきりの父が亡くなった。報せを受けた長谷川洋一郎は、48年間の空白を胸に、父の人生に向き合おうとする。父は、死の直前に「自分史」を書こうと思い立っていたらしい。なぜ? そして、誰に読ませたかったのか。
内容説明
小学校2年生の時に別れたきりの父が亡くなった。報せを受けた長谷川洋一郎は、48年間の空白を胸に、父の人生に向き合おうとする。一人暮らしだった父は、死の直前に「自分史」を書こうと思い立っていたらしい。なぜ?そして、誰に読ませたかったのか…。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て執筆活動に入る。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞、14年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞。小説のほか、エッセイやルポルタージュも多く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
53
店頭で小説本の冒頭を何冊か試し読みして、印象に残った一冊。久しぶりの重松作品。やはり掴みはうまいと思う。ことに主人公の年齢が近い分、知らず知らずに共感してしまう。登場人物の造形、伏線の張り方、手練れた文章表現等々に、これは小説世界のお話と納得しつつもつい夢中になって、気がつくと上巻の最終頁ということに。人は自分の人生を辿るのは一回だけではあるが、小説作品の中に、あるいはあり得たかも知れない全く別の人生を味わうことができる。今更の書生談義ではあるが、小説の面白さを堪能することも悪くないなと思い始めたこの頃。2023/04/09
ピース
30
洋一郎が子供の時に離婚してその後全く会っていない父親が亡くなったとの連絡が入る。しかし父親には何の感情もないどころか良い印象はない。だから遺骨やら後処理をどうすれば良いのか悩んでしまう。更には勤務先である老人ホームに厄介な入居者がやってくる。この2つの難問にどう対応し解決するのか。下巻へGO。2023/04/23
jima
14
2018年から19年に朝日新聞で連載。小学校2年で別れた父親が48年後に亡くなった知らせをうける。2024/03/10
わらわら
13
3年前図書館で借りて一度読んでいるのだが…本屋で文庫本が出ていて初めて読むと思い購入する。ブロローグからいくともう少し重たい本かと思ったがユーモアのある展開に。主人公の息子は私より若い、亡くなった父親は少し年上である。私の父は3歳の時に亡くなっている一斉記憶はないが、本のような状態になったら「どうする?」と考える。身近な人間が亡くなる時この人の人生はどないだったのだろう?とも考える。最近、子にも頼らないとも考える。後半を読んでまたじっくり考えてみよう。二回目なのだがほとんど覚えていない。2023/10/13
植田 和昭
12
万博とか、離婚した父の足跡をたどるとか、介護施設のトラブルメーカーなど伏線が満載だけど回収できるのかな。新日曜名作座で始まったので上下巻買って読み始めたのだが、日曜日から読み始めて火曜日には読破したぞ。朝日新聞に連載されたそうだけど、新聞に連載されるほどかなあ。新日曜名作座は、外れはないはずだけど、ちょっとがっかり。主人公の言い回しがいい年しているのに洗練されてない。これを名作と言うのか。迷作だぞこれは。下巻へ続いていくが、果たして読む価値があるのかな。ひこばえの意味を知った。題名がふさわしくない。2025/07/01
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