出版社内容情報
豊臣家滅亡を謀った怪僧の知られざる一面に迫る 長編歴史小説-----------------------------------------------「ならば、喧嘩のタネを探し出せばよろしゅうございましょう」豊臣家滅亡を狙う家康の意を汲み、方広寺鐘銘事件を画策した崇伝。幕府の中枢に食い込み、悪名と引きかえに目指したものとは?権力亡者として知られる男の人間的魅力に迫る傑作長編歴史小説。《解説・島内景二/末國善己》
内容説明
「ならば、喧嘩のタネを探し出せばよろしゅうございましょう」。豊臣家滅亡を狙う家康の意を汲み、方広寺鐘銘事件を画策した崇伝。幕府の中枢に食い込み、悪名と引き換えに目指したものとは?権力亡者として知られる男の人間的魅力に迫る傑作長編。
著者等紹介
火坂雅志[ヒサカマサシ]
1956年新潟県生まれ。作家。早稲田大学卒業。出版社勤務時代の88年に『花月秘拳行』でデビュー。2007年『天地人』で第13回中山義秀文学賞を受賞。のちにNHK大河ドラマの原作となり、ベストセラーに。2015年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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都人
5
「上」「下」併せて900pを超える大作、面白く拝読した。巻末の解説で吉川英治の「宮本武蔵」の読後感と、この本のそれが一致すると述べているが、それは余りにも恐れ多い。「東照大権現」、天海が命名者と言うのは初めて知った。2023/03/14
miyaz5
4
下巻は、大阪冬の陣の原因となった方広寺鐘銘事件の少し前から始まる。本光国師日記なども引用されて内容的にも上巻より面白かった。大阪の陣の後も家康亡き後もページを割いており、崇伝の活躍が鐘銘事件だけではなかったということがよく理解できた。ただ解説にもあるように、火坂雅志氏の作品は吉川英治氏の作風に近く、史実をしっかりと書くというよりは物語性を重視しているので、個人的には物足りなさを感じた。特にラブロマンス的な要素は、この手の歴史小説に自分は求めてない。2023/02/09
あきのぶ
2
天海や沢庵との確執。いろいろあるけど、かなり強引というか言いがかりが多い。見直した面もあるけど、う~ん。2023/06/02
アニータ
2
金地院崇伝の生涯を描く下巻。上巻ではあまりにぎらぎらした崇伝に腰が引けましたが、下巻ではその権謀術数の裏にある人間らしい感情が見え隠れし、上巻よりずっと親しみを持てました。他人からどう見えようと信念の人だったのだなと思いました。2023/04/12
na*rico
1
かなり悪僧侶のイメージがあり、元々はあまり興味のない人物だったが、今作は僧侶らしからぬ人間崇伝の人生が描かれていて、とても面白かった。世に出て極めたい強い出世欲に忠実に生きながら、人生の途中で何度も悩み、挫折しながらも初志貫徹していく姿が、目的の為に手段を選ばない汚さはともかく、生き方としては非常に現実的で読みごたえがあった。2024/08/08