出版社内容情報
肥前長崎の出島で通訳として働く父から英語やフランス語を習うお柳。女人禁制の職業に憧れるお柳は、釜次郎(のちの榎本武揚)と出会う──。攘夷運動、大政奉還、戊辰戦争から明治維新へ。実在の女性通詞の生涯を描いた感動の長編時代小説。
内容説明
長崎の出島で通詞として働く父から英語やフランス語を習うお柳。女人禁制の職業に憧れるお柳は、釜次郎(のちの榎本武揚)と出会う。幕末・明治維新の激動期を駆け抜けた、女性通詞の一途な愛を描いた感動の長編時代小説。
著者等紹介
宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年北海道生まれ。作家。95年に「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、01年に『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞。15年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
50
面白かったです。父親から語学を教わっていたため、通訳になりたいと思うお柳の一途さが印象に残りました。激動の時代、男装してまで通訳に徹する姿は憧れとしか言えません。2022/09/26
Y.yamabuki
15
男装で当時の女性には認められなかった通詞を勤め、終生表に出ることなく一人の男性を愛したお柳。彼女の心の揺らぎ━悩み、葛藤そして喜びをもう少しページを割いて描いて欲しかった。むしろ、榎本武揚の方が、スケールの大きな人物として生き々と描かれていたように思う。榎本を中心とした歴史を辿る場面が多く、これはこれで興味深かったが、通詞としてのお柳も釜次郎(榎本)に対してのお柳も少々霞んでしまったように感じる。当時の女性の控え目さからなのだろうか。2022/07/11
gosuken
5
幕末の長崎で育ったお柳は、出島で働く父親から英語やフランス語を学び、榎本釜次郎と出会い男装の通詞となる。 記録には残ってはいないけれど、この激動の時代に女性通詞が存在したのかと思うと、あとがきにある通り、凄いと思う。2024/02/16
来訪者
5
女優杏さんのYouTubeで知り購入。時代は幕末、女人禁制の出島で通詞を務める父平兵衛と母おたみの娘お柳。外国語に憧ながらも女性であることとの葛藤の中日々を送っている最中榎本家次男榎本釜次郎との出会いから物語が本格化する。実際の史実描写もそれなりにあるので、流し読みした所もそれなりにあるけど、確かに実写化したら面白いかも。2022/11/27
山内正
4
叔父さん覚えとる?うちのこと 田所の娘お柳 十年経っとるから おまけにこの格好、長崎じゃなかったのか榎本の坊ちゃんの世話 通訳やっとる 幕府は会津に敗退し反対する遠藤はお柳を始末しようと企み 徳川は既に降伏してと息巻く 何を今更と榎本は啖呵を切る 船で蝦夷へ行く 激しい砲撃が響いた 沈むのか? 官軍に蝦夷共和国嘆願を出すが アラミスって?うちの勤め終わったと言うとですか榎本さん お母さん只今と江戸に帰った 湯屋は後にするかえ お前子が出来たのかえ相手は?釜さん?2022/09/01