朝日文庫<br> 国宝〈下〉花道篇

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朝日文庫
国宝〈下〉花道篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 431p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022650092
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

鳴りやまぬ拍手と眩しいほどの光、人生の境地がここにあるーー。芝居だけに生きてきた男たち。その命を賭してなお、見果てぬ夢を追い求めていく。芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞をW受賞、『悪人』『怒り』につづくエンターテイメント超大作!1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」――侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか? 朝日新聞連載時から大きな反響を呼んだ、著者渾身の大作。

内容説明

舞台、映画、テレビと芸能界の激変期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながらも、芝居だけに生きてきた男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。芸の頂点へと登りつめ、命を賭してなお追い求める夢のかたちとは―。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年長崎県生まれ。97年に『最後の息子』で文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年に『パレード』で山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で芥川賞を受賞。純文学と大衆小説の文学賞を合わせて受賞し話題となる。07年『悪人』で毎日出版文化賞と大佛次郎賞、10年『横道世之介』で柴田錬三郎賞、19年『国宝』で芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

145
大団円、なのでしょうか。極道の家に生まれ、何者かに導かれて歌舞伎の世界に飛び込み、過酷な運命に翻弄されつつもそれすら糧として、ただただ己の芸を極めることに全てを捧げた喜久雄がたどり着いた場所。彼は人であることをやめてしまった。純化された「女形」として立っている美しき舞台から、決して降りてくることはないのです。「天晴れ!」の声をかけましょうか。彼の人生を彩った多彩な人々も素晴らしい。幼馴染に師匠、盟友。俊介は多分もう1人の喜久雄だった。そして女たちのしなやかな強さ。改めて、この物語の全てに「天晴れ!」を。2023/01/12

ショースケ

134
なんと華麗でなんと波瀾万丈でなんと孤独なのか。2人の運命は歌舞伎女形という太い軸をベースに思いもよらぬ方向へと突き進む。時には離れ時には絡み合い、言葉にできない艶やかな色を作り出す。こんなに心を掴まれた小説は久々だ 芸を極めるとはこういうものなのか…自分には計り知れない世界を見せてもらった。素晴らしい時間を吉田氏に感謝します。2025/04/29

ちゃちゃ

120
あぁ、遂に読み終えてしまった。歌舞伎の世界に魅入られた男の数奇な人生。その儚さや孤高の境涯に胸が潰れそうになる。白塗りの化粧に絢爛な衣装をつけて、一途に精進してきた喜久雄が到達した先には…。虚実が溶け合ったあわいの夢幻の世界。それを狂気と言うべきか、選ばれし者だけが見る至高の境地と言うべきか。激動の上巻青春篇とは趣を異にし、下巻花道篇は清濁合わせた人生を芸道に昇華させた喜久雄の「完璧を超えた完璧な芸」を描いて秀逸。決して幕の降りぬ忘我の世界へと踏み出した、稀代の女形三代目花井半二郎に「あっぱれ」を。2021/09/18

粗晒し六兵衛

113
★★☆☆☆ 歌舞伎役者みんな悲しい最後だな。俊介も途中でいなくなってから面白くないし、喜久雄の最後も読書の想像にお任せする形。役者としていくとこまでいっちゃってそれ以上もう書く事ないからあんな終わり方にしたんだろうか。上巻の方が好きでした。2025/06/05

タツ フカガワ

111
温泉地を巡る芝居一座にいた俊介が10年ぶりに歌舞伎の世界に戻ってくると、それまで不遇を託っていた喜久雄とともにじわじわと頭角を現してくる。役者の業とでもいうのだろうか、二人の芝居へ懸ける執念が凄まじい。両足を失いながらそれでも舞台に立とうとする俊介の執念に圧倒される第17章「五代目花井白虎」。対して喜久雄が一種狂気を帯びた孤高の境地へと昇っていく終章「国宝」と、胸のなかを搔き回されるような小説、久びさでした。すごいな、吉田修一。2024/01/15

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