出版社内容情報
東日本大震災で家族を失ったハルは、心の傷が癒えないまま広島の伯母のもとで暮らしていた。ある日、伯母が倒れたことをきっかけに、ハルは一人、故郷を目指す旅に出る。「どうして自分だけが生きているのか?」──その答えを探しながら。
内容説明
東日本大震災で家族を失ったハルは、心の傷が癒えないまま広島の伯母のもとで暮らしていた。ある日伯母が倒れたことをきっかけに、ハルは一人、故郷を目指す旅に出る。「どうして自分だけが生きているのか?」―その答えを探しながら。映画『風の電話』の小説版。
著者等紹介
狗飼恭子[イヌカイキョウコ]
1974年埼玉県生まれ。小説家、エッセイスト、脚本家。1992年に第1回TOKYO FM『LOVE STATION』ショート・ストーリー・グランプリにて佳作を受賞。高校在学中より雑誌などに作品を発表。95年に小説第一作『冷蔵庫を壊す』を刊行。以後、小説・脚本・エッセイ等、多方面において活動の場を広げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nyaoko
74
映画を見損ねてしまい、ノベライズを買う。風の電話は本当に岩手県の大槌町に実在する。映画は東日本大震災で家族を失い、叔母の住む広島に来たハルの物語。唯一の肉親である叔母が倒れ、ハルは押し潰されそうな不安と恐怖で広島から、岩手へヒッチハイクで帰ろうとする。およそ1300キロの距離、その中で出会った人々の優しさと、彼等が持つ後悔と孤独を垣間見る。一人ぼっちだと思っていたのは自分だけじゃ無かったと気づくハル。分かっちゃいたけど、涙無しでは読めなかった。まだ9年目。今もあの場所を訪れる人は絶えないのだろう。2020/03/10
彼岸花
26
映画を観る機会はなかったけれど、大槌町に実在する『風の電話』。震災で失った大切な人を想い、繋がることができる、とても神聖な場所である。設置者の心温まる行動により、想起することができる。主人公ハルも、迷走し、ようやくここへたどり着くことができた。命の洗濯、葛藤を続けながら。高校生にして、過酷で危険な旅。多くの見知らぬ人々との出逢いが、彼女を成長させ、希望を見出すことができて良かった。決してひとりじゃない。広子さんがいるもの。もっと周りに甘えたっていい。人間だから。生きていることの素晴らしさを実感できるから。2020/04/30
タルシル📖ヨムノスキー
23
先月に読んだ震災関連本〝まちはしずかにあゆみだす〟に収録されていた風の電話の話に心惹かれて、あれこれ検索しているうちにたどり着いたこの本。映画が今年1月に公開されていたことを知らずに手に取ったこの本。物語は2011年の東日本大震災で両親と弟を亡くし、広島の叔母の元で暮らすハル。ある日ハルの叔母が病気で倒れ、それに動転したハルが故郷を目指すという、いわゆるロードムービー(いやロードノベル)的な物語。まず叔母さんが倒れたのになぜ家を飛び出すのかがちょっと理解出来なかった。残念だけどこの手のモノは出揃った感じ。2020/11/08
TAKA
18
映画「風の電話」の小説版。たくさんの人に助けられて生きている。感謝です。有り難いです。「帰る場所」があるのは、ホントに幸せです。感謝しながら精一杯生きていきたいと思う。僕も人を安心させられる人になりたい。おすすめです。2020/01/25
チェス
4
映画見てみたい、うるる、だろうけど。 図書館本2020/11/08