出版社内容情報
東京銀座勤めの巡査名コンビ滝と原田。日々さまざまな謎の解決に奔走するが人ならざるものの気配を見せることがあって…… !?
内容説明
巡査の滝と原田は、女学生美人くらべや競馬場での事件など厄介事の解決に日々奔走する。だがこの二人と仲間達の周りには時折何やら妖しい気配が漂い…。消えた村と仏像を巡る噂。ワクワクの謎とき物語に時折差し込む薄昏さにゾクリとさせられる連作小説集。「明治・妖モダン」シリーズ第2弾!
著者等紹介
畠中恵[ハタケナカメグミ]
高知県生まれ、名古屋育ち。作家。名古屋造形芸術短期大学卒。漫画家アシスタント、書店員を経て漫画家デビュー。2001年「しゃばけ」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。16年に吉川英治文庫賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
67
【2021年色に繋がる本読書会】明治初期の銀座の交番が舞台の、ちょっと妖しげな話。小藩だったものの経済的には潤っていたが、明治維新と廃仏毀釈いう大きな変化の中でさびれた地。ひとつの章ごとに、その地に5つある寺に関わる人物が現れる。誰もに、なんともいえない影があり、どこか胡散臭くもある。江戸から明治に変わり、東京は明るい洋風な街に変わりつつあったが、一歩小路に入れば、そこにはまだ、江戸の名残があり、明るい光の差し込まない暗い闇の部分がある。その闇に属するものたち。彼らもまた、懸命に新しい時代を生きている。2021/09/01
rico
42
舞台は明治20年ごろの銀座界隈。次々と起こる事件は、やがてある村の廃仏毀釈をめぐるおぞましい過去へつながって・・・。設定は好みなんだけど、人物たちのキャラがつかめないなあと思ったら、シリーズ2作目でしたか。真相を追って奔走する警官、滝と原田が、何となく「しゃばけ」の兄やたちみたいだなあと思ってたら、やっぱり・・・。なかなか凄惨な事件が続くのだが、淡々と語られるのは「人ならぬ者」目線のせいか。お江戸と地続きのこの時代、人以外の物がたくさんいたんだろうと想像する。暗闇がなくなった街はつまらないもんね。2019/05/11
きょん
14
江戸から明治へのドサクサに紛れて人間として生きる人外達。彼らの正体がぼんやりと表現されてる点について花乃さんが突っ込んでくれましたけど、何となくわかったようなわからないような。廃仏毀釈運動が自分が思っていたより激しいものだった様で、改めてお寺様を大事にしないとなあ。2019/02/24
高橋 (犬塚)裕道
13
星2.5。やらかしてしまった!シリーズ前作があったのだ。それを読まずに此方を先に読んでしまったので抑の人となりが分からない。2.5はその所為だ。前作を読んでいればもっと楽しめたと思う。色々話が繋がらなくて読むのに時間が掛かってしまった。それでも畠中恵さんの文章は好きだなあ。2019/03/01
雲母
10
相変わらず登場人物達が面白く魅力的でした。廃仏毀釈など歴史的な出来事など興味深く読み進めました。色々な事件が起こるけれど結果一つだったわけですね。そして人であり人ならざる者達は人に紛れて己の行く末を見定めるのでしょう。しかし、滝さん原田さんのお仲間がそんなにいらっしゃるとは。驚きつつも、まぁそれもそうなのかと思いました。2020/11/30