出版社内容情報
祖父の寛太に誘われた、壊れた自転車でゆく旅。その過程で寛太から聞く、限られた時の中で精一杯自分たちの命を生きた恋人たちの物語。あの戦争で心に深い傷を負った寛太と、彼が本気で愛した美しい少女・真利子。旅の果てにあるものは?
内容説明
限られた時の中で、彼らは互いを思い遣り、慈しみ、精一杯自分たちの命を生きた―もうこの世に存在しない祖父と、ぼくはかつて不思議な旅をした。そこで語られた少年と少女の切ない純愛の物語。なぜふたりは引き離されなければいけなかったんだろう?
著者等紹介
市川拓司[イチカワタクジ]
1962年東京生まれ。作家。2002年に『Separation』でデビュー。2003年発表の『いま、会いにゆきます』が映画化・テレビドラマ化され、文庫と合わせて140万部の大ベストセラーとなり、一躍恋愛小説の旗手として支持される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
57
胸がぎゅーっとなる恋愛小説でした。短い時間の中の純粋な恋愛。不器用だけれど悲しい恋愛。切なさに満ちあふれていました。互いを思いやる気持ちが伝わってきます。素敵な作品でした。2020/10/21
takaC
54
市川拓司モードで読もう。2018/03/13
なないろ
29
大好きな市川拓司作品、待ちに待った文庫化です。スーッと流れる文章、安定の優しい市川ワールドです。電車にも乗れない不器用な人間の温かい愛の物語。誰に頼ることもなく生まれ持った自分の足で進んでいきます。他人よりはゆっくりゆっくりだけれど、目指すところへの想いは誰よりも強く温かい。まあるく温かい愛のカタチが見えるような1冊でした。2018/01/18
kei@名古屋
24
非常に優しい物語です。お祖父さんの足跡を壊れた自転車を引いておしてゆく、目に浮かぶ物語と言うのはこういうものかもしれない。市川節はやっぱり良いですね2018/02/20
蒼雨
23
市川拓司さんの本は中学生の時に読んだ「いま、会いにゆきます」以来の二作目でした。優しい物語を書く作家さんってイメージが強いです。この本もすごく優しいお話でした。「ねえ、愛って、好きな人に生きてほしいって心から願うことなんだね」の一文が好きでした。2018/03/19