朝日文庫
私はテレビに出たかった

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  • サイズ 文庫判/ページ数 483p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022648709
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

外食チェーン店の人事部に勤める倉本は本人役で会社のCMに出る予定が大失態をおかす。そこから「テレビに出たかった」気持ちが爆発、芸能事務所に入り野望に突き進む一方で、ひとり娘のエリカの身辺も何やら怪しく……松尾スズキが描くサラリーマンアドベンチャー。

内容説明

ただただ、画面に映りたい。公共の電波に乗りたい。誰にも知られずに目立ちたい。普通に生きてきた43歳のサラリーマン倉本恭一に突如めばえたこの衝動、ここから途方もない冒険が始まる!著者初の新聞連載、10年ぶりの長篇小説。このチャンスを逃したら一生後悔する一生面白みのない男で終わる。松尾スズキが描く、サラリーマンアドベンチャー!

著者等紹介

松尾スズキ[マツオスズキ]
1962年福岡県生まれ。演出家、脚本家、俳優、作家、映画監督。88年に劇団「大人計画」を旗揚げし、97年『ファンキー!宇宙は見える所までしかない』で第41回岸田國士戯曲賞を、2001年ミュージカル『キレイ―神様と待ち合わせした女』で第38回ゴールデンアロー賞・演劇賞を受賞。また、04年には初の長編映画監督作『恋の門』がベネチア国際映画祭に正式出品。同年初の長篇小説『宗教が往く』を刊行。06年小説『クワイエットルームにようこそ』が第134回芥川賞候補作となり、08年には、映画『東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン』で第31回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞、10年小説『老人賭博』で第142回芥川賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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白のヒメ

34
主人公は人事部のしがないサラリーマン。自社のコマーシャルにちょっと出るはずだったのに、遅刻して出られなくなってしまった。別にテレビに出ることなんて何とも思ってなかったのに、出られなくなったと思うと無性に出たくなる。どうやったら自分はテレビに出られるようになるのか、43歳の抱腹絶倒の挑戦が始まる!・・・ドタバタコメディーでくだらないなーと思いつつも、中年の悲哀あり家族愛ありで、なんだかんだと読んでしまった。小説よりも映像になったら面白そうだなあ。2021/09/18

桜もち 太郎

21
地味で目立たない冴えないサラリーマンの恭一の願いはただ一つ。「テレビに出たい」だった。かといって有名にもなりたくない、でも目立ちたい。テレビに出ることで何かが変わる、もがくことこそ生きることなんだ。そんな恭一の冒険小説というかエンタメ小説だ。ことごとくテレビに映る機会を逃し続ける。単なるそれだけの物語ではなく、新聞小説らしくドンドンと新たな展開、広がりをみせていく。スピード感満載だ。最後は舞台は沖縄。ここのところは意味不明だがまあそれも良し。楽しんで読むことができるんだから。大根仁の解説も面白かった。2021/09/05

くるみみ

19
松尾スズキさんの舞台も映画も観たことがあるけれどその世界の小説版という感じ。ちょくちょく声出して笑った。何しろキャラクター全員が濃くて相当な癖があり、472Pのなかなかの長編なのに誰だっけ?というのが無かった。文中ドラマ名や店名もいちいち笑える。昼ドラ『般若と女、そして石』、フルーツパーラー『果物たちの静けさ』そんな店あったら絶対入る(笑)主人公の、どこにでもいそうなサラリーマン役にピッタリな恭一(43)が走りまくった印象だけれど物語的にはちょっと長かったかな。ネバーランドクラブ、、、怖くて泣いたw2021/10/16

Katsuto Yoshinaga

6
サラリーマン小説の体が、少しずつアドヴェンチャーテイストが加味されエンタメとしてまとめられていく。解説の大根仁氏が連続テレビドラマ化したいと書いているのがよくわかる。著者は漫画の原作も数作書いており、短くドラマをつないでいく構成が実にうまく、笑いの取り方もうまい。最近はあまり言われない気がするが、老若男女楽しめる大衆小説の王道のような作品だった。楽しい読書時間を過ごさせてもらった。難をいえば、この手の話ってどうしてラストシーンを沖縄とかに舞台を移したがるんだろう。取材旅行に行きたいだけなのか…2019/08/30

kaikoma

2
コミカルな内容と主人公のキャラクターが絶妙に合っていて、面白かったです。但し後半は暴走気味なので、前半のハチャメチャな感じの方が、個人的には好きでした。結末は別として、前半のトーンで完結するストーリーだと、より一層楽しめたかなと思います。2019/08/24

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