出版社内容情報
【文学/日本文学小説】社会人2年目の小和田君は仕事が終われば独身寮での夜更かしを楽しみとする地味な生活。ある日、狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」との出会いから、めくるめく冒険の一日が幕を開ける。第2回京都本大賞受賞作!
森見登美彦[モリミトミヒコ]
内容説明
社会人2年目の小和田君は、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら夜更かしをすることが唯一の趣味。そんな彼の前に狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」なる人物が現れて…。宵山で賑やかな京都を舞台に果てしなく長い冒険が始まる。著者による文庫版あとがき付き。
著者等紹介
森見登美彦[モリミトミヒコ]
1979年奈良県生まれ。作家。京都大学農学部卒、同大学院修士課程修了。2003年『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で第20回山本周五郎賞、10年『ペンギン・ハイウェイ』で第31回日本SF大賞受賞。『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハッシー
313
京都は鴨川の河川敷にこの物語の作者は住んでいる。四畳半の部屋は四方八方を古今東西の書物で囲まれ、真ん中のぽっかりと空いた穴に敷かれた薄い布団は万年床と化している。作者の小説は一部の奇特な読者にカルト的な支持を受けているが、当の作者は締切を守らず小説よりも担当者への言い訳ばかり書いている。祇園囃子が鳴れば山鉾を見に行き、宵山には仕事を放っぽり出しバーで電気ブランを呑む始末である。しかし皆さん。今、我々に必要なのは思いやりの心である。怠けよ、森見登美彦。怠けよ。作家だから物語を綴らねばならないと誰が決めた?2016/09/26
カメ吉
254
運動会、秋祭り等の田舎行事がやっと終わりやっと読了です。 森見登美彦作品はやっぱりヘンな作品。でも面白い。普段よく行く京都もこの人にかかると全くの別世界になる。祇園祭宵山に繰り広げられる正義の怪人『ぽんぽこ仮面』と謎の集団との何か熱い様などうでもいいようなバトル。結局何なんや?というはなし。けど不思議と読んでしまう。森見ワールド恐るべし…。2016/10/12
KAZOO
226
久しぶりに読んだのですが、この人の作品はあまりよくわからないのですがいつの間にか読んでしまっているという不思議な性質を持っています。ゆるきゃらのような感じなので今の時代には合うのでしょう。ほわっとした感じがあって京都弁とぴったりフィーチャリングしています。内容には関係ありませんが、おまけがついていたのとカバーが裏でも使えるようになっています。2016/10/03
おかむー
210
京都・宵山の一日にひたすら休日を“怠けて”過ごすことを目指す主人公・小和田くんは変人・怪人の跳梁跋扈するその一日に冒険に巻き込まれてしまうのか?『たいへんよくできました』。森見登美彦というのは実に不思議な作家さんで、ジブリ作品にも近いような現実からちょっぴりズレたファンタジックな世界観でありながら、ほんのり下品で下世話な「あるある」にどこかほっとさせられる。クライマックスの「建築物のごった煮」はアニメ映えしそうだなぁ。『有頂天家族』や『夜や短し歩けや乙女』とも重なる“森見京都”が実に愉快ですね。2016/10/02
sayan
186
「有頂天家族2」とは異なるも舞台は同じ京都。個人的には不思議なストーリーに巻き込まれる感覚に陥りながら後半にいたる展開を楽しんだ。終盤に向けて「ドタバタ」が一層加速して、結局なんだっけ?と思う箇所は多々あるものの、京都の日常を記述しながら切り取った非日常感が新鮮だった。2017/08/21