出版社内容情報
【文学/日本文学小説】一流商社マンの薮内が飛ばされたのは、ブラック企業!? 社長は悪名高く敵だらけ、同僚は凄腕ハッカーの青年に年齢不詳のド派手美女。クセモノぞろいのメンバーと、貴重な戦略商品「水」獲得に奔走するが、予期せぬ妨害に悪戦苦闘する。
内容説明
若手商社マンの藪内之宏は零細企業のゴールド・コンサルタントに飛ばされる。社長は悪名高く敵だらけ、同僚は凄腕ハッカーの青年に年齢不詳のド派手美女。藪内はクセモノぞろいの面々と貴重な商品である「水」獲得に奔走するが、予期せぬ妨害に悪戦苦闘する。
著者等紹介
真保裕一[シンポユウイチ]
1961年東京都生まれ。作家。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。96年『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年『奪取』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞をW受賞、2006年『灰色の北壁』で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にいにい
55
久しぶりの真保裕一さん。毎回、真保さんの着眼には感心させられるし、経済活動の細部に精通している感じでなかなか楽しめる。今回は、日本では豊富で関心がなかなか高まりにくい「水」が絡む。ただ、途中からは、水から離れ、ちゃちな私怨、復習にズレて行ったのが残念。ダイオキシン問題の話も深いが、「水」問題で貫いて欲しかった。仕事の関係上、水とはかかわり深いので、特にそう思った。ま、水の価値と商社の策略がよくわかった1冊。2014/05/05
left7
34
昔の真保さんの作品の雰囲気に近くてよかったです。登場人物は少し古い感じもしますがキャラクターが立っていますし、話の展開が速くてテンポもよく謎の引っ張り方も上手で「奪取」や「ホワイトアウト」を読んでいた頃を思い出してとても面白かったです。「アマルフィ」もそうですが、真保さんはテンポがよくて登場人物に動きのある作品を書かれるとすごく面白いと思います。今後もこういう作品を楽しみにしてます。2014/10/03
sayan
33
ほぼ同名の映画作品がかつてアップリンク渋谷で上映されていた。2008年だからもう10年も前だ。タイトルは、「ブルー・ゴールド~狙われた水の真実~」。こちらはの原作は『「水」戦争の世紀』。さて、今回読んだ真保裕一の「ブルーゴールド」、アクの強い、でも能力は高く、といったキャラ設定に前半からテンポよく物語は展開する。援助開発の業務で訪れた国での水事業を思い出す。大使館、各国の援助開発機関に国連機関が参画する事業だったが天然鉱物の影響でヒ素の含有率が高かった。さて本書後半はキャラの濃さは影を潜めインパクト薄い。2018/05/28
UK
30
長野県の片田舎の水資源を巡ってのビジネス戦争を描く。大手商社や国際的企業、役人等々多彩な顔ぶれが登場して飽きさせない。アクの強い強面の社長、オタクのハッカー、年齢不詳の美女&元ミス・キャンパスとサービス精神旺盛なことったら。が、話の筋はいささかごちゃごちゃしてわかりにくいかも。終盤で強引に一気にケリをつけるが、まあちょっと無理があるかもね。でも面白かった。2016/10/23
幹事検定1級
30
水ビジネスをテーマに総合商社とコンサルタント会社が争う物語。かなり複雑に絡み合い、そして登場人物がどこかでつながっていく、複雑に組み立てられた作品です。真保さんの作品ですから、経済バトルの難しいネタでありながら読み手を引き込むところはさすがですね。今回テーマにした「水」は確かに海外のみならず、今後日本国内においても水道事業・下水道事業・取水事業のいずれをとっても民間が効率的に運営していくことが求められていく可能性は非常に高いと感じました。命の水だけに、その安全性と安定供給、価格を維持したうえで・・・。2015/01/15