出版社内容情報
時代小説ファンが愛する作家たちの傑作を集めた、競作シリーズ「日本剣客伝」を、剣豪が活躍した時代ごとに編みなおして復刊。幕末篇では、村上元三『高柳又四郎』、海音寺潮五郎『千葉周作』、永井龍男『沖田総司』を収録。
内容説明
人に裏切られ憎まれ、孤独の中で磨いた「音無し」の剣を継ぐ者を求め続けた高柳又四郎。才能を見込まれて浅利又七郎の養子となり、ついに北辰一刀流を築いた千葉周作。京に上り池田屋騒動で評判となるも、25歳で病死した新選組一番の剣士・沖田総司を描く。シリーズ最終巻。
著者等紹介
村上元三[ムラカミゲンゾウ]
1910年韓国・元山生まれ。作家。40年に『上総風土記』で直木賞、64年にNHK放送文化賞を受賞。2006年逝去
海音寺潮五郎[カイオンジチョウゴロウ]
1901年鹿児島県生まれ。作家。36年に「天正女合戦」「武道伝来記」で直木賞、68年に菊池寛賞、77年に芸術院賞を受賞。77年逝去
永井龍男[ナガイタツオ]
1904年東京都生まれ。作家。65年に『一個その他』で野間文芸賞、72年に菊池寛賞、75年に「秋」で川端康成文学賞を受賞。81年に文化勲章受章。90年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
54
幕末における剣客は時代を読むより、自分の生き方を選択していったように見えました。千葉周作は時代をつかんでいるように見えましたけれども。沖田総司の物語が収録されていたのは新選組ファンとしては嬉しかったです。2021/04/05
桜もち
35
新選組については一昨日の歴史秘話ヒストリアの方が泣けたかな。ともあれ、永井龍男が沖田総司のことを書きにくい書きにくいと前章で断っている通り、新選組通史の総論というか概論にとどまっていた。沖田総司にことさらスポットライトが当たっているわけではない。でも、総司の姉の光が近藤について、京都で、ある姉妹を共に妾にしたことを噂すると、総司が『京都での近藤さんの行いは、その辺の半端者には分かりません』とかばっているのが真剣だなあ。まあ、善悪きっぱり割り切れない時代と情勢だったもの。割り切れる方が作り話っぽいかも。2016/06/11
柳瀬
1
3人の話に分かれていて、著者も違う。これはこれでいいのかも知れないけれど……あたしはちょっと失敗かもって思ったね。2013/11/12
オールドファッションボーイ
0
剣客は、ハードボイルドだ。自分の世界を黙々と進む。しかし、千葉周作は、違った。時代を読んでいたんですね。その点では、柳生宗矩に通じている。
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