出版社内容情報
【文学/随筆】ベストセラーの文庫化第3弾のテーマは再び幕末。「官軍」と「賊軍」、立場は違えど、それぞれに時代の行く先を見据えようとした『世に棲む日日』の吉田松陰、『峠』の河井継之助、『花神』の大村益次郎。時代の転換点に生きた男たちの生き様から我々は何を学べるか。
内容説明
『世に棲む日日』の吉田松陰と高杉晋作、『花神』の大村益次郎。三人の長州人は成功を見ずに、早すぎる死を迎える。一方、『峠』の長岡藩家老の河井継之助は時代の先を読みつつ、全藩玉砕の道を選ぶ。勝者も敗者もない。人生の矛盾を抱え、維新を駆け抜けた男たちがいた。
目次
松陰のこころ―『世に棲む日日』の世界
講演再録 松陰の松下村塾に見る「教育とは何か」
河井継之助の見果てぬ夢―『峠』の世界
講演再録 河井継之助を生んだ長岡
大村益次郎の時代―『花神』の世界
講演再録 ポンペ先生と弟子たち
ブックガイド キーワードで読む司馬遼太郎作品
インタビュー 私と司馬さん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てん06
7
司馬遼太郎の著作の一節や講演内容を縦糸にして関係者が当時のエピソード等を横糸のように織り込んでいく。いつもながら司馬さんの独特の観点に唸る。吉田松陰、河井継之助、大村益次郎すスポットをあてる。萩や長岡に行きたくなった。2013/10/26
おぜ
5
司馬さんの本または司馬さんに関する本を読めば読むほど、もっと知識を増やして、色々なところに行って、色々なことを考えたいと思うようになる。2012/12/17
Mitz
4
「一人灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とする」ことが楽しみであると、兼好法師が徒然草に書いている。司馬作品を読むたびにこの言葉を思い出す。まるで歴史上の人物と対話をしているような印象を受けるのは、司馬の過去生きた人々に対する優しく敬意に満ちた眼差しゆえだろう。それも歴史の主役になった勝者のみならず、敗者や庶民にも向けられているのが良い。司馬作品に出会って15年程になるが、読むたびに新しい発見があり、歴史に愛しさを感じ、「自分も頑張ろう」と奮起するのである。2012/04/17
がんぞ
2
『世に棲む日日』という題名は「この世は仮の住まいである」という思想から来ているという。生きているうちは報われなかったが、松陰の生命は死後発展した。「その国粋主義を配慮して吉田松陰も教科書で墨を塗られた」というのは勝手な配慮だろうが、『名ばかりに近代化されても、薩長政府に兵役や土地税などで搾取され言論は統制され民衆の暮らしはかえって苦しくなった』との戦前否定、占領軍賛美は有った。長岡の『峠』文学碑、司馬遼太郎は碑文の表も裏も文面を短期間に書き上げ送った。武士道精神が無ければ日本が世界に貢献する道がないと2014/01/24
ヒコ
2
講演が記載されているのですが、生前に司馬さんの話しを生で拝聴したかった。長岡、山口を訪れたくなりました。2012/09/23
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