朝日文庫
家庭の医学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 169p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022643605
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

レベッカ・ブラウンが癌に冒された母親の入院、手術、治療、そして看取るまでを描く。「母のどこかほかの部分は、何か別のものによって助けられていたと思いたい。何か優しいものによって母が助けられていたと私は信じたい」―。介護という現代の問題をテーマにした「介護文学の先駆的な一冊」。

目次

貧血
薄暮睡眠
転移
無能力
震顫
化学療法
耐性
禿げ
嘔吐
水治療法
睡眠恐怖症
モルヒネ
幻視
幻覚
塗油
火葬

著者等紹介

ブラウン,レベッカ[ブラウン,レベッカ][Brown,Rebecca]
1956年米国生まれ。作家。『体の贈り物』でラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞受賞。シアトル在住

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年東京生まれ。東京大学教授。『アメリカン・ナルシスメルヴィルからミルハウザーまで』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

57
癌に侵された母親を看取るまでの様子を淡々と描いたノンフィクション作品。難病ものにありがちなベタついた感傷は無く「貧血」「薄暮睡眠」「転移」から始まり「無能力」「嘔吐」「睡眠恐怖症」「モルヒネ」「幻覚」などを挟んで「火葬」で締めくくられる。家庭の医学事典のように。癌が見つかり治療を始め、やがて手の施しようもなくなり、衰えて死んでゆく母親の様子も、献身的介護の様子も抑えられた文体で描かれているからこそ余計に胸に迫った。2016/11/05

こばまり

33
娘達が母を看取り、弔うまでの物語。人はがんを患うとどんなプロセスを辿ることになるのか、去りゆく母とはどんな人物だったのか。冷静な文体に、却って心揺さぶられます。病で近親者を失った方には読み難いかもしれません。2014/10/07

トラキチ

23
作者の母親への愛情を綴ったノンフィクション作品で母親の癌発病から亡くなるまでを静かに語ります。 特徴はなんといっても最初の貧血から火葬まで各章ごとに16項目から成り立っていて、各章の冒頭に辞書的な意味合いが添えられ、その体裁が邦題のタイトル名ともなっていると思われます。それぞれの介護におけるプロセスが柴田氏の抑制の効いた丁寧な訳文で綴られていて、極端に感情移入される方はちょっと辛すぎて危険かもしれませんが(笑)、作者の母親に対する愛情と読者自身の母親に対する愛情とを照らし合わせて読むべき作品だと言えよう。2014/05/02

あんこ

22
古本屋で手にとったら、帯にカワカミさんと小川さんの名前、翻訳が柴田さん。タイトルや章題は無機質で、どんな内容なのか分からずにいた。病気で死にゆく母親の「介護文学」。冷静ともとれる観察日記のようで、あまり感情は出されていない。だからこそ、静かで、大切なものの隣に寄り添う愛と哀しみが浮き彫りになる。すぐそばで、ゆっくりと誰かが衰えていくのを見ることほどつらいものはないのに、この作者は最期まで母親、そして彼女の死と対峙したのだなと感じた。また、死の受け取り方は人によって様々あるのだ、とも。2015/10/02

ndj.

13
母親の癌発見から最期までが、淡々と、一切の心理的描写を省いてまるでタイトル通りの解説書であるかのごときに綴られている。アゴタ・クリストフの『悪童日記』のような筆致は非常に印象的で、ただ事実の推移だけを伝え、それでいて悲しみや痛みが突き刺さるように伝わってくる。感傷を廃することでようやく言葉にできる感情というものがたしかにあるのだ、と、最近分かるようになった。こんなに献身的な介護が、いざそれが必要となったときに自分にできるだろうか…。2016/03/16

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