出版社内容情報
突然死した椿山和昭は家族に別れを告げるため、美女の肉体を借りて七日間だけ”現世”に舞い戻った!
死ぬのがこわい。
死んだらどうなる。
恐怖と疑問を解決する物語。
(著者)
内容説明
働き盛りの46歳で突然死した椿山和昭は、家族に別れを告げるために、美女の肉体を借りて七日間だけ“現世”に舞い戻った!親子の絆、捧げ尽くす無償の愛、人と人との縁など、「死後の世界」を涙と笑いで描いて、朝日新聞夕刊連載中から大反響を呼んだ感動巨編、待望の文庫化。
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。1995年『地下鉄(メトロ)に乗って』で吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員(ぽっぽや)』で第117回直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
277
⭐️⭐️⭐️浅田さん4作品目。ここまで面白いと読まないのは人生における損失ではないかとさえ思えてしまう程です。フィクションである小説は作者の力量次第でこんなにも豊かなドラマに変わる物かとその才能の奥深さと広がりにすっかり参ってしまいました。このつぎも楽しみです。2014/06/20
みも
232
読友さんのレビューに惹かれて。大いに笑い、泣きました。王道の大衆小説で、ある意味予定調和と言えようが、それが作品の面白さを奪う事は全くない。何故なら確かな起承転結で構築され、なにより読者が娯楽小説に求める喜怒哀楽全てが凝縮されている。ペーソス漂う人情劇をベースとして、人間の愚かさの中にある優しさや温かさを描く人間賛歌。随所に挿し込む社会風刺がエッジを効かせ、ほんわりとなりがちなファンタジーを引き締める。強くお薦めしたいが、東野圭吾氏『ナミヤ雑貨店の奇蹟』辻村深月さんの『ツナグ』に興醒めされた方には不向き。2020/06/29
masa@レビューお休み中
190
死人は口を開かないはずだ。ところが、ここに出てくる三人の死人は口を開く。それどころか、肉体を持って自由に動き、話すことまでできてしまう。突然死してしまった三人の男たち。デパートに勤める椿山課長、ヤクザの親分である武田、訳あり小学生の雄太。彼等は死してなお現世にやり残したことがあるといい、極楽に行かず現世に舞い戻ります。生前とはまったく違う姿で…。望みが叶った彼等の行く末は順風満帆ではなく、実に波瀾万丈だったのです。知らぬが仏なのかもしれないけど、彼等は傷ついてもなお真実を知りたかったのだろうなぁ。2017/02/13
ehirano1
181
やっぱり弄ったかwww2014/11/16
utinopoti27
175
接待中に突然死した椿山は、あの世の入り口で、掛けられた邪淫の嫌疑を晴らすため、初七日まで現世に戻ることを許されます。別人に姿を変えた彼が見た現実は信じ難いものだった・・。職場の上司や部下、家族、友人から自分はどう見られていたのか。知らなかった自分自身を次々と発見していく過程で、家族の真実や本当の愛が見えてくる。円熟の筆致で綴る、あふれるユーモアと哀愁を帯びた『沁みる』物語。日々を悔いなく生きることなんてできないけれど、自分を信頼してくれる人たちに常に誠実であろうと思わせてくれる異色のファンタジーだ。2019/06/02