内容説明
東欧に革命の嵐が吹き荒れる前夜、1986年6月のウィーンで外交官の真賀木奏とバイオリニスト走馬充子は出会った。妻を失い慎重な男と情熱的な女は奔馬のごとく愛し合い、求め合う。運命の偶然か神が仕組んだ必然か、亡命者からもたらされた謎の楽譜が二人を歴史的動乱の渦に巻き込んでいく。
著者等紹介
高樹のぶ子[タカギノブコ]
作家。昭和59年「光抱く友よ」で第90回芥川賞を受賞。平成6年『蔦燃』で島清恋愛文学賞。平成7年『水脈』で女流文学賞受賞。平成11年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞受賞。平成13年より芥川賞選考委員
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感想・レビュー
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ミカママ
73
ヨーロッパの地理や歴史に疎い私には読みにくかった。・・・てか、ふたりが恋に落ちる過程が端折られてる?!物語の背景にばかり労力取られて、人物のほうがおろそかなのでは?キャラがぜんぜん頭に入って来ない。下巻はギブります・・・。2015/09/25
エドワード
14
1980年代中葉。共産党独裁のルーマニアからオーストリアへ亡命した男はある楽譜を持っていた。ヴァイオリニスト充子と大使館員の真賀木の手に渡ったこの楽譜は、ルーマニア独立運動に参加した作曲家ポルムベスクのものだが、およそ音楽の体を成していない。謎の楽譜を追う人々は何者なのか?ポルムベスクの名曲、「ヴァイオリンとピアノの為のバラーダ」と対になった時、楽譜の謎が解ける。東欧革命前夜の、不穏な空気の漂うウィーンが舞台の愛と音楽のサスペンス。インターナショナルでスピード感あふれる展開が007級の面白さ。下巻へ続く。2013/11/10
kinshirinshi
3
1980年代後半、暗号が隠されたルーマニア人作曲家のバイオリンの楽譜を手にしたことにより、チャウシェスク独裁下での革命運動に巻き込まれていく日本人外交官と、彼と恋に落ちる情熱的な日本人バイオリニストの物語。日本人がほとんど知らないルーマニア革命のことがよく分かるし、実在する作曲家の楽譜を使って暗号を作ってしまうあたりは脱帽だ。ただヒロインはどうもいただけない。ルーマニアと縁の深いバイオリニストの天馬敦子さんをモデルにしたそうで、ヒロインありきの小説なのだろうが、この人がいなくても充分成立する話だと思う。2019/12/18
こみち
3
自分には合わない本に手を出してしまった…。全体的に読みにくい…。そして、下巻は挫折…。2014/07/01
衢然
2
聞いていた通り、やたら句読点が多かった笑。だがそれよりも情景がさっぱり浮かばず、読む手が進まず諦めました。まぁ向き不向きというか好みがあるんでね。私には合わなかった、ただそれだけのこと。2017/11/02
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