朝日文芸文庫<br> オホーツク街道―街道をゆく〈38〉

朝日文芸文庫
オホーツク街道―街道をゆく〈38〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 402p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022641366
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0126

内容説明

流氷の流れ着く北海道・オホーツク海沿岸で発見された多くの遺跡。この土地でどんな暮らしが営まれていたのか。彼らはどこからやってきたのか。海・山・川に恵まれた豊かな北の狩猟生活に思いを馳せ、“韃靼大陸”へ繋がる道を探る。歴史全体への深い洞察に、独自の考古学的視点を重ねた異色の一冊。

目次

縄文の世
モヨロの浦
札幌の三日
北天の古民族
韃靼の宴
遙かなる人々
アイヌ語学の先人たち
マンモスハンター
研究者たち
木霊のなかで
樺太からきた人々
宝としての辺境
花発けば
ウイルタの思想〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

47
15巻「北海道編」からさらに高跳びの38巻「オホーツク編」。13世紀に登場したアイヌの人々以前に、日本人の幾分かの祖先の可能性があるオホーツク人が宗谷から知床にかけてのオホーツク海沿いに存在したという題材がテーマ。知らなかった歴史のヒトコマがエキサィッティング。理髪師で在野の研究者ながらモヨロ貝塚を発見するという貴重な業績、その人柄で学会・在野の研究者を導いた「日本のシェリーマン」こと米村喜男衛氏の生き方に憧れる。司馬先生晩年の「街道」、このテーマで新たな小説を構想していたのではと夢想してしまう力作。2019/08/26

Kaz

27
北海道は仕事で3度ほど訪れたことがあるが、すべて札幌。函館や小樽なども行ったことがない自分からすると、網走、紋別、稚内なんて、もはや海外の距離感。学生時代はオートバイ乗りだったので、北海道は憧れの地。ロシアとの地理的な近さから、古くから交流がありその痕跡が遺跡となって現代に続いている。そのうち長期休暇を取って北海道を周遊したい。行くならやはり冬から春にかけてが良さそうだ。流氷も見てみたいし、可能なら船便でロシアにわたるのも面白そう。2021/02/11

獺祭魚の食客@鯨鯢

26
日本版華夷思想により命名された「蝦夷」も五街道のおまけのような「北海道」も良い意味での歴史ロマンを感じません。内地化されて神社もありますが古代の神話とは無縁です。むしろ、アイヌ民族のアニミズム信仰に惹かれます。 国津神より古い縄文系民族は鉄や稲作という「文明」に駆逐されてしまいました。ケルトに似ているような気がします。2018/07/04

KAZOO

25
北海道のあちこちを歩き回っている感じがしました。縄文時代の遺跡とか対録からの関係とかに触れたりして、かなり古代に興味をもっておられる感じがしました。松本清張さんもそうでしたが一通り近代のことを調べ終わってしまうと、かなり古代についての興味が深まるのでしょうか?北海道にこのような古代に関する遺跡が多くあるとは今までほとんど知りませんでした。この本で結構目が開かれた感じがしました。2014/08/15

紫羊

21
市井の研究者が見返りを求めず献身した北海道の考古学史。その純粋さと骨太さに圧倒された。最後はロシアは変わらないなと重い気持ちになったが、サハリン発掘の旅で日本から来た研究者に、漁ったばかりの魚を惜しげもなく分け与えたアレクサンドルという漁師の話など、わずかばかりの救いといえるか…2022/03/29

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