朝日文芸文庫<br> やちまた〈下〉

朝日文芸文庫
やちまた〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 443p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022640666
  • NDC分類 289
  • Cコード C0195

内容説明

盲目の語学者・本居春庭の探究を決心してから、いつしか40年の歳月がすぎていた―春庭の生涯、著者自身の多事多難の後半生、著者の周辺の人々の数奇な運命の、つかのまの喜びや消し去ることのできない哀しみを、詩人の静謐な感性が映し出す「人生の万華鏡」。芸術選奨文部大臣賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

加村カフカ

2
奇妙な本である。学者の伝記のようで小説のような、読んでるとどちらを読んでいるのか解らなくなるが、とても面白い。しかし、この面白さが伝わる人は限られるだろう。「江戸時代の学者に興味がある」「国語学に関心がある」「大学が神道系の学部だった」の内二つ当てはまらないと通読できないかもしれない。2014/03/09

大川三三

1
著者の目線を通して、二つの時代の様々な人生を追いかけることとなる。それらの絡まり合いは、春庭が言葉のはたらきを評した「いともいともくすしくたへなるもの」という表現の如く不思議で劇的だ。そのことがごく自然に腑に落ちる。静かな情熱と愛情とが満ちた本。2014/07/02

Susumu Kobayashi

0
本居宣長記念館建設を機に本居家の土蔵に収められた資料が記念館に寄贈される。春庭の著書『詞の八衢』および『詞の通路』の成立過程を調べていた著者は、『詞の八衢』の原稿や関連資料の発見により、探求の目的がほぼ達成される。調査の過程で、春庭に関連する人物の墓を探したりするうちに、新たな書簡の発見という思わぬ僥倖にも遭遇する。一方、実生活では学友の遮莫が脳膜炎に冒され、腸は脳出血で死亡、恩師もそれぞれの人生を終えようとする。言葉の不思議に魅了され、その法則を探求した者のさまざまな人生を描いた評伝は静かに幕を閉じる。2013/03/27

中村明裕

0
高校の卒業祝ひとして恩師からたまはつた上下二册。やうやく讀みをはつたのは學部一年か二年の夏休みであつただらうか。『やちまた』の題は江戸時代の國語學者本居春庭の著書『詞八衢』から採られてゐる。題のとほり『詞八衢』の成立と春庭の人生の話。そしてそれらを追ふ著者の人生の話。

thinkeroid

0
10月中に読み終わることが出来た。なぜこの本が読まれなくなったか、読み始めたときは同世代の退陣を思ったが、それ以上に今は、一般知識層の中で古文を読みこなす人たちがいなくなったのだと思う。2009/10/31

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