出版社内容情報
資本主義を支える「借りを返す」原理を問い直し、返礼に回収されない「贈与の連鎖」の可能性を探る。災害時の相互扶助や「恩送り」的なコミュニティーの実践、さらに、デヴィッド・グレーバーらの思想を手がかりに、共同性の新しいかたちを描き出す。
【目次】
内容説明
「借りたら返す」―それは本当に常識なのか。本書は、モース『贈与論』の精緻な読解を起点に、シェイクスピア『ヴェニスの商人』や宮部みゆき『火車』といった古典・小説、さらに臓器移植のレシピエントや災害時の相互扶助など現代的事例を通して、贈与交換から資本主義に至る「返礼」の構造を根底から問い直す。鍵となるのは、マオリ族の「ハウ」に秘められた謎だ。借りを本人に返さず、別の誰かに贈る―この構造を解き明かし、見返りを求めない贈与が次の贈与を呼ぶ「連鎖」の原理を探る。さらに、レヴィ=ストロース、デヴィッド・グレーバーらの現代思想を参照しながら、借りを「返す」から「つなぐ」へと跳躍させる。経済の新しい地平を切り拓く、著者の新境地。
目次
序論
第一章 はじまりのモース
第二章 『ヴェニスの商人』の贈与論
第三章 『火車』の資本主義
第四章 もうひとつの贈与交換
第五章 返されない贈与
第六章 贈与のユートピア―借りに先立つ贈与―
結論
著者等紹介
岩野卓司[イワノタクジ]
東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。パリ=ソルボンヌ大学大学院博士課程修了。博士(哲学)。現在、明治大学教授。専門は、思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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