出版社内容情報
【目次】
内容説明
30万年前にアフリカで誕生した新人ホモ・サピエンスは、本格的に拡散する後期旧石器時代以前の5万5000年前~3万8000年前には日本列島にたどりついていたようだ。ユーラシア大陸のどこを通ってやって来たのか。石器を見ると、列島各地で由来の異なる集団がモザイク状に分布していた可能性が高い。デニソワ人など複数の人類種が同時共存していた南中国、東南アジアから渡来した早期ホモ・サピエンス、北回りで渡来したホモ・サピエンス。いずれも、当時大陸の一部であった古朝鮮半島から列島へ拡散した。それも複数回拡散したことが多くの例で確認されている。起源と系統が異なる両者はどう融合し、日本列島固有の後期旧石器文化が完成したのか。日本、中央アジアでの最新の発掘調査成果から解き明かす。
目次
序章 急速に解明されつつある日本列島の旧石器文化の成り立ち(国武貞克)
第1章 日本列島における最古の石刃遺跡の発見(国武貞克)
第2章 列島の石刃石器群の起源地を求めて(国武貞克)
第3章 中央アジア西部で初の初期後期旧石器時代(IUP)遺跡の発見(国武貞克)
第4章 日本列島への人類の到来の背景―人類のユーラシア拡散(佐藤宏之)
第5章 アジアの後期旧石器研究と日本列島(佐藤宏之)
第6章 日本列島における後期旧石器文化の成立(国武貞克)
第7章 ユーラシア先史世界全体から見た日本列島の後期旧石器文化の成立(佐藤宏之)
終章 人はどこから香坂山遺跡へたどりついたのか(国武貞克)
著者等紹介
国武貞克[クニタケサダカツ]
1975年千葉県市原市生まれ。国立文化財機構奈良文化財研究所主任研究員。東京大学大学院修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、文化庁文化財調査官を経て現職。中央アジアで石刃石器群の成立過程解明のため2017年より、初期後期旧石器時代から後期旧石器時代前期の4遺跡を発掘中。日本では列島最古の石刃石器群を求めて2020年から長野県香坂山遺跡を、2023年から広島県冠遺跡を発掘中
佐藤宏之[サトウヒロユキ]
1956年宮城県仙台市生まれ。東京大学名誉教授。法政大学大学院修了、博士(文学)。東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授(環境学)、同人文社会系研究科助教授・教授(考古学)を歴任。専門は先史考古学・民族考古学・人類環境史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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