朝日選書<br> 中立とは何か―マックス・ウェーバー「価値自由」から考える現代日本

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朝日選書
中立とは何か―マックス・ウェーバー「価値自由」から考える現代日本

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022631367
  • NDC分類 361.234
  • Cコード C0330

出版社内容情報

様々な意見が対立する今、政治的中立性を求める声が高まっている。しかし、「中立」とはどのような概念で、それを実装することは可能なのだろうか。マックス・ウェーバーの「価値自由」の受容と論争を辿り、中立とは何かを浮き彫りにし、現代政治の道筋を示す。

内容説明

誰かの主観を押し付けられている、政治的中立性が損なわれているという不満が高まっている。しかし、“中立”とはどのような概念なのか。人は何らかの価値判断に立つことなく“中立”を実践することは何能なのか―。本書は、マックス・ウェーバー「価値自由」の受容と論争を辿り、混迷を極める現代政治の様態について考察する。ウェーバーは価値の多元性、対立の不可避性を指摘し、事実と価値を分離すべしとする「価値自由」を唱えた。こうした「価値自由」の理念を、社会学者・経済学者・政治学者たちはどのように解釈し議論してきたのか。歴史的検討を通し、“中立”という思想の核心に迫り、分断克服のヒントを探る。さまざまなオピニオンが交錯する現在の日本における、政治とコミュニケーションのあり方を、第一線のウェーバー研究者が問い直す。

目次

第1章 価値自由とは何か―事実と価値を分ける
第2章 ウェーバーの時代―進歩の思想とポジション・トーク
第3章 一九三〇年代の方法論―「事実をして語らしめる」をめぐって
第4章 エートス論としての価値自由―安藤英治の「あとがき」
第5章 新自由主義者たちのウェーバー―自由経済と中立性
第6章 問われなくなる価値自由―イーストン、ロールズ、因果推論
終章 政治的中立の精神史

著者等紹介

野口雅弘[ノグチマサヒロ]
1969年東京都生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。哲学博士(ボン大学)。早稲田大学政治経済学術院助教、岐阜大学教育学部准教授、立命館大学法学部教授などを経て、現在、成蹊大学法学部教授。専門は、政治学・政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まゆまゆ

12
報道などで言われる政治的中立性について、マックス·ウェーバーの思想から考えていく内容。価値と事実を分けて考えることで、対立する見解について自由に論じることができる。中立であるべき、という考え方を押し付けられても何も考えられず判断もできない。結果として分断を招いてしまってはいないか。2024/12/03

Bevel

7
中立性の社会思想史という感じ。ウェーバーの「価値自由(wertfrei)」を受容史とともに探ることで、歴史のなかで浮き沈みがわかるという感じ。ウェーバーにおいては、対立を含む価値多元性という意味で、中立をとるということではなく、むしろ価値なしの認識を不可能とし、自分の観点を明示すること、観点のなかにできるだけ多くの事実を含むことが重要になる。反支配としてハイエクの市場とか、パーソンズのシステム論的なウェーバー読解やシュトラウスの自然権がこの問題を覆い隠す話が面白かった。レグヴィッツ面白そうだなあとか。2025/06/17

mokohei

2
野口のヴェーバー解釈から語られる、ある「判断」というのは、基本的に一貫してヴェーバーにより「他の議論もありえる」という形で一度否定され、それを考慮せよと要求しているものに聞こえる。これはある意味で相対主義的だが、それ自体の重要性は(学問的な意味では)理解できる。 しかし、このことでより正しい政治的判断を導こうとしているのであれば、この態度の有効性には甚だ疑問しかない。何故なら、この論法で政治的判断を阻害するだけで終始する可能性があることを我々は知っているし、野口も部分的にこのことを理解しているからである。2025/05/30

tetsuwo

2
中立も1つのスタンスである。その言葉には無条件で良いイメージを抱きがちだが、ときにあらゆる立場に対して暴力的な介入をし得る。また、中立なスタンスに基づく決定は、多方面への配慮から最もコストのかかる施策になるとも考えられ、やはり手放しに良いものとは言えない。ウェーバーは、価値は政治が判断するべきと述べた。ビジネスは日々価値判断の連続であり、つまり政治的な場である。その場にいる一人として、中立であることを目的にするのではなく、何を取り何を取らないかを丁寧に考えるようにしたい。2025/04/06

ほなみ

2
コンサルの仕事をしていて思うのは、中立に価値なんてないということ。 では中立とは何かと考えた時にそれは「意見がないということ」だと思う。 この本でも学問は中立(意見ではなく事実)、政治は偏るみたいな感じだと思う。 つまり、中立であることは意見を出さないということであり、相談される側としては何の意味もない。と私もの普段の考えと結びつけてみた。 だから中立な意見なんてものは存在しないのだろう。冷静に立場を見て自分はどこに立っていたいのかと意思を持つことが大事であり、そのために中立な学問があるのだと思う。2025/02/23

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