出版社内容情報
【歴史地理/日本歴史】「発掘された日本列島」展20周年記念講演録。捏造事件後の旧石器研究、縄文の環状遺構とは何か、弥生開始年代論の今日、古墳発生はどこまでさかのぼるのか、東アジア情勢の中での国家誕生、中世都市の諸相、考古学と不可分の科学技術など。
内容説明
各時代の研究を牽引する7人の考古学者が、いま何がどこまで言えるのかをわかりやすく解説。なぜ考古学をめざしたのか、その面白さ、醍醐味も語る。文化庁主催「発掘された日本列島」20周年記念特別連続講演会の書籍化。
目次
1章 旧石器時代
2章 縄文時代
3章 弥生時代
4章 古墳時代
5章 古代
6章 中世
7章 楽しい考古学とその軌跡
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クサバナリスト
11
研究者の何かの記念講演録の書籍化したもの。期待していたものと違ったが、遺跡発掘は学者主体ではなく、地方公共団体が中心になりやっていることなど知らないことが書いてあった。また、教科書で有名な登呂遺跡なども再発掘調査そして再発見などがあったことも分かった。なかでも、興味をひかれたのは、大友氏と大内氏のそれぞれの時代を背景とした都市づくり。少し前にそれぞれが登場する物語を読んだばかりだったからだと思われる。2015/05/20
kenitirokikuti
9
図書館にて。2015年刊行。連続講演「日本発掘!」を書籍化したもの。文化庁主催「発掘された日本列島」展(1995〜)の20周年を記念したもの▲ここ最近、大小様々なミュージアムを(上野や佐倉の国立から市町の展示室まで)巡ったおかげで、考古学分野は地方自治体の文化財(&土木建設、地域開発)行政と関わりが深いことを認識した。発掘調査は現在でも年8000件ほど行われている。かつては化石や土器などを宝探ししてたが、現在は総合的な調査になっている(環境保護なども含まれるだろう2023/11/04
funuu
8
縄文時代が1万年以上続いたのは、ムラの外に広がるハラと共存共生し、食糧を調達したり道具の原材料を調達したりしてきたからです。社会的な生活、文化の本拠地のムラを取り巻く自然の世界のハラが広がっている。こういう関係を1万年以上ずっと日本人は経験してきました。 2015/08/09
おらひらお
4
2015年初版。発掘された日本列島20周年記念講演会をまとめたもの。各時代のトピックをうまくまとめたありますが、最後の水野先生の文章が秀逸。高校生や大学生にも読んでもらいたいですね。2016/12/29
在我壷中
3
『之から取り組むべき遺跡保護』その一つが水中遺跡・・・と。私には過年、もう50年近くに為るかと、地元の郷土史家(私の師匠?)さん指導へ畑の中へ鏃、黒曜石を拾ったり、海底貝塚?の発掘?をお手伝いしたのでした。この本を手にしたのも、きっと何かそんな地元の遺跡が・・・と開いたのでしたが、残念!黒曜石発掘にすら其の記述は観ることはありませんでした。地元でも変人?奇人?扱いにあったその私の師匠さんには今や鬼籍へと・・・その後にはそうした変人奇人は現れてはいないのかと。東シナ海の小さな島・・・なんでした2015/04/13