出版社内容情報
世界の最前線で活躍する哲学者たちは、現代社会をどのように捉えているのか──。人工知能、遺伝子工学、格差社会、テロの脅威、フィンテック、宗教対立、環境破壊……21世紀の哲学者が描く人類の明日とは? 人類が直面する難題への答えを導き出す。
内容説明
“知の巨人”たちの思考をまとめたベストセラーが、大幅加筆され待望の文庫化。世界の最前線で活躍する哲学者たちは、現代社会をどのように捉えているのか。人工知能、遺伝子工学、格差社会、テロの脅威、宗教対立、環境破壊…人類が直面する難題への答えを導き出す。
目次
序章 現代の哲学は何を問題にしているのか
第1章 世界の哲学者は今、何を考えているのか
第2章 IT革命は人類に何をもたらすのか
第3章 バイオテクノロジーは「人間」をどこに導くのか
第4章 資本主義は21世紀でも通用するのか
第5章 人類が宗教を捨てることはありえないのか
第6章 人類は地球を守らなくてはいけないのか
第7章 リベラル・デモクラシーは終わるのか
著者等紹介
岡本裕一朗[オカモトユウイチロウ]
1954年福岡県生まれ。哲学・倫理学者、玉川大学名誉教授。九州大学大学院文学研究科哲学・倫理学専攻修了。博士(文学)。九州大学助手、玉川大学文学部教授などを経て、2019年より現職。西洋の近現代哲学を専門とするほか、哲学とテクノロジーの領域横断的な研究をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi Tanohata
31
16年版に第7章、「トランプ現象」「コロナパンデミック」「ウクライナ戦争」を追記した23年版。スピノザ以来の哲学書に脳みそに冷や汗をかきながら読了。それにしても世界的な哲学者は欧米人ばかり。大学教育の影響か、連綿と続く思想連鎖か。日本は「人生論」と「経済学者の横ヤリ」に抵抗ありか。あかん、脳みその汗が滝のようだ。2023/03/04
ta_chanko
24
IT革命・BT革命・資本主義・宗教・地球環境・リベラルデモクラシーの将来について、哲学的な見地から論考。現代は20世紀の「言語論的転回」に次ぐ、21世紀の「自然主義的・メディア技術論的・実在論的転回」の時代。『いま、世界の哲学者が考えていること』を理解するのは難しいが、具体的な問題についての論考は分かりやすく、いろいろと考えさせられる。2023/07/10
有坂汀
9
哲学が必要とされる時代は激動の時代である―。 僕がここ最近、哲学書を読みふけっている中で、哲学者で東京大学大学院総合文化研究科教授の國分功一郎先生のこの言葉がますますその実感がするわけです。本書は21世紀を生きる哲学者達が人工知能、遺伝子工学、格差社会、テロの脅威、フィンテック、宗教対立、環境破壊…。などの簡単に解決できない問題について、どのような思いをめぐらせているのかを解説・紹介したものです。内容はかなり難しいですが、めまぐるしい日々から一歩距離を置いて、深く思索を重ねたい方にはおすすめいたします。2025/02/19
しゅー
6
★★哲学というと新しくてフーコー、ドゥルーズあたりの本(解説本)しか読んだことがないので、最近の哲学の動向を知りたくて手に取った。日本の哲学入門書は「言語哲学=最新結論」みたいな感じじゃなかろうか。(あくまでも個人の感想です)本書を読んで初めて最近の哲学の全体の見取り図を知ることができた。しかも文庫版は巻末にロジア・ウクライナやコロナ禍の話も載っていてお得感もある。参考図書が充実しているのは嬉しいけど、ガチな書籍が多くて私ごときでは歯が立たない予感だ。レファレンス本として一家に一冊あると重宝かと存じます。2023/06/18
おかつ
5
IT革命、バイオテクノロジー、資本主義、宗教など、幅広いテーマについて様々な考え方を紹介する。正直難解な箇所もあるが、世の中を浅く広く捉えるのに最適の一冊。2023/03/30