出版社内容情報
いまだ根強い人気を誇る数学者にして随筆家初の対談集をここに刊行。各界を代表する碩学たちと語らう歴史・文明・哲学・宗教・美術・俳諧はたまた脳科学まで、岡潔の幅広い思想を吐露した知的な対話4編。巻末に岡潔講演「こころと国語」収録。
内容説明
司馬遼太郎、井上靖、時実利彦、山本健吉―まさに談論風発、「こころ」を軸に、歴史から文学、大脳生理学、俳諧まで。各界の「知の巨人」たちと深く語り合った博覧強記の数学者による初の対談集、ここに成る。岡潔の思想の真髄を語った講演「こころと国語」を巻末に付す。
目次
萌え騰るもの(司馬遼太郎×岡潔)
美へのいざない(井上靖×岡潔)
人間に還れ(時実利彦×岡潔)
連句芸術(山本健吉×岡潔)
講演 こころと国語(岡潔)
著者等紹介
岡潔[オカキヨシ]
1901年大阪生まれ。25年京都帝国大学理学部数学科卒業。京都帝国大学、広島文理科大学、北海道帝国大学、奈良女子大学などにて教鞭を執る。54年、「多変数函数論の研究」で朝日文化賞、60年文化勲章受章。78年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
83
司馬遼太郎/井上靖/時実利彦/山本健吉各氏との四つの対談と「こころと国語」という講演が掲載。岡潔先生の思想を象徴するキーワードが頻出する:第二のこころ、情的にわかる、前頭葉と頭頂葉、西洋と東洋、大円鏡智、妙観察智、道元禅師、松尾芭蕉、西田幾多郎、山崎弁栄上人…。でも、対談は、どうも嚙み合わない(特に司馬さん)。岡先生が自説を滔々と述べ、偉大な先生に忖度して対談者が相槌を打つと、すかさず岡先生が否定するという卓袱台返しが何度も繰り返されるのが面白い。場の空気を斟酌しない先生の規格外の魅力が、伝わってくる。2021/08/12
ひなぎく ゆうこ
14
★★★★☆ 落ち着いてもう一度読みたい。2021/07/05
ハチ
12
今回は岡潔オイルかなり薄目。しかもフランクでフレンドリー。美について、日本について、人間についてゆっくりと紡いでいてほっこりした気分になった。ただ油断はできない。やはり道元禅師も情緒も出てくるし、神隠し、わるいときなど妙なる味わいが新たに加わり、興味深く読んだ。2021/05/31
くらーく
4
岡潔氏晩年の対談ですね。司馬遼太郎氏の若い事。どんな方でも年を取れば考え方は固まるし、都合の悪い事は忘れていくんだろうなあ。司馬氏との対談なんて、典型的な若者と老人の対話っぽい。もっとも、語られている事のほとんどは理解していない自分が言うのも何だけど。そんな雰囲気は感じる。 山本健吉氏との対談は、一方的に岡氏が話していて、対談って感じじゃ無いところが面白い。編集してこれだから、実際はほとんどしゃべりっぱなしだったんじゃないかと想像されるわ。 数学的に顕著な成果を残したのだから、脳保存しても良かったのでは?2021/07/24
天使の奇跡
3
司馬遼太郎/井上靖/時実利彦/山本健吉各氏との四つの対談と「こころと国語」という講演が掲載。司馬さんとの対談は以前読んだことがあった。アンテナをはることです。山本健吉さんとの対談、松尾芭蕉の話が面白い。弟子に人生を知ること,人生をを理解して、人間を理解することを教えた。そうでないと良い句は書けないですねね!2021/12/09