朝日文庫<br> 中年危機

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朝日文庫
中年危機

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  • サイズ 文庫判/ページ数 226p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022620279
  • NDC分類 143.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

最も意気盛んな安定期に見えて、中年ほど心の危機をはらんだ季節はない――。心理療法の大家が、夏目漱石、大江健三郎、佐藤愛子、山田太一などの日本文学の名作12編を読み解き、中年の心の深層をさぐる。本書に登場する小説の登場人物たちは、職場での自らの立ち位置、配偶者の浮気、子どもの教育、老いへの不安など、ありふれているようで本人にとっては重大いな問題に直面し、戸惑い、やがて人生の大切な転換点を体験する。読者にその問題が降りかかってきたとき、どう立ち向かえばよいか。著者ならではの「中年論」。目次はじめに1人生の四季 夏目漱石『門』2四十の惑い 山田太一『異人たちとの夏』3入り口に立つ 広津和郎『神経病時代』4心の傷を癒す 大江健三郎『人生の親戚』5砂の眼 安倍公房『砂の女』6エロスの行方 円地文子『妖』7男性のエロス 中村真一郎『恋の泉』8二つの太陽 佐藤愛子『凪の光景』9母なる遊女 谷崎潤一郎『蘆刈』10 ワイルドネス 本間洋平『家族ゲーム』11夫婦の転生 志賀直哉『転生』12自己実現の王道 夏目漱石『道草』あとがき

内容説明

自我を確立し、社会的な地位を得たあと、人は何を求めて生きるのか。中年期になると人は「何かが足りない」と不可解な不安に駆られるものだ。夏目漱石、大江健三郎、山田太一など、日本文学の名作12編を読み解き、登場する中年たちの心の深層を探る。

目次

人生の四季―夏目漱石『門』
四十の惑い―山田太一『異人たちとの夏』
入り口に立つ―広津和郎『神経病時代』
心の傷を癒す―大江健三郎『人生の親戚』
砂の眼―安部公房『砂の女』
エロスの行方―円地文子『妖』
男性のエロス―中村真一郎『恋の泉』
二つの太陽―佐藤愛子『凪の光景』
母なる遊女―谷崎潤一郎『蘆刈』
ワイルドネス―本間洋平『家族ゲーム』
夫婦の転生―志賀直哉『転生』
自己実現の王道―夏目漱石『道草』

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。臨床心理学者、心理療法家。62~65年スイスのユング研究所に留学、日本人初のユング派分析家の資格を取得。京都大学教授、国際日本文化研究センター教授を歴任、2002年文化庁長官に就任。1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、88年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞受賞、95年紫綬褒章受章、98年朝日賞受賞、2000年文化功労者顕彰。07年7月逝去。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Vakira

47
人間は生物であるので命がある限り生きたい。そして自分の分身を残し、生きる世界を広げる。自分が存在しなくなることに恐怖があり、生き続けたい。何で生き続けたいか?世界の変化を見届けたいし、子供がいれは成長とその次世代だって見届けたい。未来へ行き、知りたい欲求が人間にはある。人によって好き嫌いの個人差はあるが色んな経験が欲しいのだ。夢を覚えていれば人生は2倍楽しいかもしれない。そこで物語(小説、映画等)の存在意義を知る。疑似体験として深層欲求を満たしてくれるもの。それが小説だ。誰かの小説に乗り込み精神高揚する。2021/10/05

ステビア

18
評論としてはなかなか面白い2025/05/12

じゅん

17
中年終盤の身で読むと、ほぼ共感してしまう12の小説世界の事例。「潜在するX」「ワイルドネス」「固体でありながら流体力学的な性質を備えた砂」「自然現象のように抗し難い力ととらえエロスを擬人化しなかったギリシャ人」「トポス」「夫婦の転生」「道草の意義」色々考えさせられた。『身体の結合が争いをけりをつけてくれるのは中年初期までで』『人は人間と動物の差があまりないことを自覚』『中年の親は、自分の子どもをよき家畜にしようとしていないか反省してみる必要』。お気に入りは『凪の光景』を元にした第8章の「二つの太陽」かな。2021/04/11

T

10
自身の中年危機のために読んでみたが、もっと時を経て再読した方がいいかもしれないと感じた。小説を読み解きながら中年危機を描写する形式だが、ほとんどが夫婦関係を継続する中でぼんやりと浮かび上がる「潜在するX」が語られたように思うが、私が独身のために周囲の夫婦関係からうっすら推察するものの、自分は体感していないので遠く感じた。中年に浮気したりするセクシュアリティ部分の感覚は特に苦手で読みかけで距離を置いた要因にもなった。それでも中年のままならなさはどの作品にも感じて、『砂の女』は何となく自分に重ねてしまった。2024/12/26

Inzaghico (Etsuko Oshita)

10
養老の巻末エッセイが的を射ていて、ふむふむと思いながら読んだ。京都は「おとな」を輩出(正しい意味で)するが、関東からは「おとな」はなかなか出ない。「その本質が重層的であるような文化というもの、それが関東にはいささか欠けているのである。関東人はいくら金を持とうが、基本的に貧乏人の性癖を残しており、どことなく乱暴で直線的である」と書き、続けて「関東の小説家というなら、私の頭にたちまち浮かぶのは、三島由紀夫、石原慎太郎、深沢七郎などであり、どう考えたって、これはどこか文化的ではない」とあって、思わず吹き出した。2020/10/10

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