出版社内容情報
徳川300年の栄華の裏には、呪術師たちが江戸の町に張り巡らせた風水の術があった。邪悪なものを阻み都市に繁栄をもたらすその風水術は現在も有効なのか? 東京の下に眠る「結界」の全貌を地図から詳細に解き明かす。驚愕と興奮の歴史読み物。
内容説明
徳川の栄華は呪術師が江戸の町に施した風水の術が支えていた!著者は地図とフィールドワークから東西南北の四神や結界のトライアングル等を探り当て、その術の全貌を丹念に解き明かしていく。巻末に「東京の顔、都庁を風水する」とその後の東京について記した後書きを収録。
目次
四神相応(結界を捜しだせ;東京・熊野・魔方陣)
大江戸魔方陣(江戸の鬼門;江戸の魔方陣;江戸の呪術師)
日光魔方陣(武蔵野の地霊を顕現させよ;聖地・聖人・陣取り合戦)
著者等紹介
加門七海[カモンナナミ]
東京都生まれ。作家。多摩美術大学大学院修了後、学芸員として美術館に勤務。1992年『人丸調伏令』で小説家デビュー。日本古来の呪術・風水・民俗学に造詣が深く、小説やエッセイなど様様な分野で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
86
東京魔方陣を読んでのさかのぼって江戸時代についての江戸の土地がどのように守られてきたのかを分析しています。かなり細かな地図などを用いて日光という土地の重要性なども書かれています。とくに三代将軍になってからの天海という僧正が大きな役割を果たしてしかも日光にお墓があるということでそれを作者はわざわざ訪ねています。結構楽しくなります。荒俣宏さんの物語などにもつながっていきます。2022/12/09
中原れい
42
前の文庫版をウキウキ読んでから20年近くたつのか。東京の町はとても目まぐるしく変わっているが、今回も内容は直さず新章を設けて考察しているので、安心して考察過程を追っていける。いきなり地図に定規を当てて三角を作り出すのがオリジナルではなく古くからある手法でも、私は始めててびっくりした記憶も有り、今回は「待ってました!」という気持ちだった。東京都からどんどん外へ広がっていく旧ラストも、激動ののちぼんやりとしたスカイツリーに癒される新章も楽しかった。そのうちまた読むと思う。2020/08/23
kk
13
再読。kkが敬愛してやまない加門七海センセが、東京近辺の地図を拡げて、神社をプロットしながらたくさんの三角形を描いて遊ぶというお話。いわゆるレイ・ラインもの、結界ものです。前作の平将門魔法陣はお話がスッキリしてて読みやすかったのですが、本作は情報量がとても多いので、急いで読もうとすると消化不良になりそうです。でも、なんのかんの言って、興味も唆られたし勉強にもなりました。この手の事柄に対する加門センセの着眼力と探究心、いつもながらステキです。2021/10/04
ミナ
11
まさかの新装版。今出すの?!というくらい年月が…。出版された当時よりももっと風水なんかも遠い世界に行ってしまったから、うまく守れてないんじゃ?と思ってしまう。都庁のも以前読んだことあったし、特に目新しいものはなかったなぁ。『東京魔法陣』も新装版で出すのかな?2020/08/13
あおい
5
なんか楽しそうだな~こんなんよく調べたな~通説を鵜吞みにせず考察を重ね推理し仮説を立てフィールドワークで検証…研究者じゃん…呪術に興味はあったけど、この検証、読み続けるのは苦しかったw特に地図とか…もぅ細かすぎて見えな~いwハズキルーペポチろうかと…天海…優れた頭脳でもって勝ち抜けた覇者に仕え幾重にも張り重ねた魔法陣を駆使し徳川の繁栄のために尽くす…と見せて誰よりも長生き(108)し実は自身の野望を果たす~その執念どんだけ凄かったのかね…大好物は大豆とか、健康にいいんだね、享年108だもんね、やっぱりね。2022/09/15