出版社内容情報
【文学/日本文学評論随筆その他】戦後2人目の総理大臣となった73歳の老外交官・幣原喜重郎は、「天皇制の存廃」と新憲法制定という戦後最大の難問を背負った。マッカーサーと彼はどんなかけひきをしたのか? 昭和の激動とともに生きた幣原の一生を克明に描く長編評伝。〈解説・保阪正康〉
塩田潮[シオタウシオ]
内容説明
昭和20年10月、天皇は老外交官・幣原喜重郎に首相就任を要請した。それは、幣原が新憲法制定という戦後最大の難問を背負うことでもあった。なぜ幣原に大命は下ったのか。昭和の激動のなか平和主義を貫いた外交官の一生を、膨大な資料をもとに描く。
目次
最後のご奉公
憲法成立の謎
外交官への道
英米派誕生
外務大臣
幣原外交復活
臨時首相代理
失意の時代
政権の座
揺れる天皇制
憲法改正問題
最後の聖断
著者等紹介
塩田潮[シオタウシオ]
1946年高知県生まれ。ノンフィクション作家。慶応義塾大学法学部政治学科卒。『霧が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Lisa Tada
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敗戦当時の人々には、【天皇制の存続】が叶うなら九条【戦争、軍備の放棄】の抱合わせは 受け入れることができたと。本書の解説にある敗戦後の昭和天皇の発言『敗戦の結果とはいえ我が憲法の改正も出来た今日に於いて考えて見れば、我が国民にとっては勝利の結果極端なる軍国主義となるよりも却って幸福ではなかろうか』とのお言葉。千年後に日本が存続する為には、改憲なのか護憲なのか、最良の安全策が 天皇制の維持と9条の護持のセットかなという感想。(個別的自衛権は担保されると明言できるようになったのは安倍首相の功績と認める)2019/04/23
たくぞう
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幣原喜重郎。100ページあたりまで、なかなか輪郭がはっきりしなかった。もっと若かりし頃のエピソードがあったらよかったのに、と思ったら、文庫化にあたって3分の1程度の分量にしたのだね。納得。2018/02/15