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朝日文庫
非常時のことば―震災の後で

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  • サイズ 文庫判/ページ数 218p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022618627
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

3・11の大震災以降、ことばはどう変わったのか。この世の「地獄」を表現したジャン・ジュネや石牟礼道子のことばの美しさをさぐり、詩や小説、政治家の演説など「2011年の文章」からことばの本質に迫る。タカハシ先生の文章教室特別編。《解説・荻上チキ》

内容説明

「3・11」以降、ことばはどう変わったのか。この世の「地獄」を表現したジャン・ジュネや石牟礼道子の美しさ、ナオミ・クラインと太宰治の類似性など、詩や小説、活動家や政治家の演説を自在に引用し、ことばの本質に迫る。タカハシ先生の文章教室特別編。

目次

1 非常時のことば(ことばを失う;すべて自分の頭で考える;掘っ建て小屋みたいな文章を書く;世界でもっとも美しい「掘っ建て小屋のような文章」;この世の地獄の美しさ;耳を澄ませば)
2 ことばを探して(林道を進む;「空気」に抵抗する;降ってくる放射性物質が、くっついた文章;二つの世界の間をさまよって;「現実」の文章)
3 二〇一一年の文章(「文章」が生まれる場所;「あの日」からの文章;根を張ること;真夜中に;二〇一一年に、「自分の子どもではない赤ん坊」を育てる小説を読むこと;「ぼくがここにいるときほかのどんなものもぼくにかさなってここにいることはできない」ということ;「あの日」の後に、書かれた「文章」)

著者等紹介

高橋源一郎[タカハシゲンイチロウ]
1951年広島県生まれ。作家、明治学院大学教授。横浜国立大学経済学部中退。81年『さようなら、ギャングたち』で第4回群像新人長篇小説賞で優秀作となる。88年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞、2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞、12年『さよならクリストファー・ロビン』で第48回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あふもん

37
それでもそーいう時に自分が何をどう捉え、どう言ったらいいのかわからん時もある、ということだけは言っておこう2016/11/29

メタボン

35
☆☆☆☆ 高橋源一郎の「言葉」に対する考察は鋭い。川上弘美の「神様(2011)」の読みについては特にそう感じた。圧倒的に悲惨な状況を描写しているのに何故その文章は美しいのか。ジャン・ジュネ「シャティーラの四時間」石牟礼道子「苦海浄土」から、高橋源一郎はその文章を抽き出してくる。堀江敏幸「なずな」を例にして赤ん坊と向き合うときの言葉についての洞察も良い。2021/08/13

hanchyan@飄々 

34
その著作全部を読了していないという点において自分は著者の良い読者ではないのだが、デビュー作以来、読んだ著作全てが「なんだかわからないけどやたら面白い!」と感じる、あの江藤淳ですら認めた、吉本隆明いうところの「ポップ文学」の旗手・インテリ源ちゃん。ファンです。んで、それほどの作家が「あの日」ののちに陥った「(文学的)失語状態」から立ち直るための、リハビリの過程を観るような一冊。とりわけP83~84、Ⅰ章末尾のイディオムの5行は深く感動。泣きました。2017/03/12

百太

25
高橋源一郎、面白い!-他の著作も絶対読むぞ!「あの日」から、まったく違った感覚で読んでる文章が沢山あります。2017/03/17

penguin-blue

24
事実を伝えた言葉は強い。当然、それにはそれを伝えた人の視点や考えが反映されるわけだけれど、それでもそれが事実と言うことだけで読み手に大きなインパクトを与えるし、その文章が共感や想像力をかきたてるものならなおさらだ。実際、作者が書中で引いているジャンジュネの難民キャンプの虐殺や、石牟礼道子の「苦界浄土」の一節はそれだけでも非常に強い感情を呼ぶものだった。だから作者の言いたいことはよくわかるのだが、結局作者がどんなに非常時を語っても説明や評論は事実を淡々と伝えたものには勝てないのね、とも実感してしまうのだ。2017/02/01

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